雪国の暮らしを支える、さまざまなアイデアってどんなもの?
雪に包まれて、辺り一面真っ白な街の風景は、とてもきれいなもの。でも実は、たくさん雪が積もる地域では、安全に過ごすための工夫をしながら暮らしています。今回は、雪国の暮らしについて紹介しましょう。
道路の除雪で、冬でもスイスイ!
まず日常的に行われているのが、除雪です。通勤や通学の人たちが困らないよう、雪を取り除くための特別な車である除雪車が、まだ暗い早朝から動き始めます。雪が降り続くときは、昼や夜にもずっと作業を行うことも。
また、雪国の道路には、よく見ないと気づかないようなところにも雪への対策が。道路の真ん中に取り付けられた噴出口から、地下水が飛び出して雪を溶かす「消雪(しょうせつ)パイプ」や、勢いよく流れている水の力によって、スコップなどで投げ入れられた雪を溶かす側溝である「流雪溝(りゅうせつこう)」。ライトを覆い隠してしまうことがないよう、雪が積もりにくくなっている「縦型信号機」など、自動車や歩行者が安全に通行できるよう、さまざまな工夫がされていますよ。
家や建物を守る工夫で、大雪でも大丈夫
大きな道路だけでなく、個人の家の周りでも雪かきを行う必要があるため、雪国の人たちは毎日体力を使います。そのため、持ち手がついた板の上に、雪のかたまりを乗せて移動させる「スノーダンプ」という便利な道具があったり、大きなスコップでもアルミやプラスチック製でとても軽かったりするのは、毎日の雪かきが少しでも楽になるように、という工夫でしょう。
雪の重みによる家の変形などを防ぐため、屋根にのぼって雪下ろしをすることも多いです。さらに、雪で1階のガラス窓や、庭の木などが壊れないよう、板や棒などを使って補強する「雪囲い」も、雪国にしか見られないものですよね。
雪を楽しむ&上手に使う工夫もいろいろ
除雪や雪下ろしなどは確かに大変ですが、雪国には、雪を生かした楽しみや恵みもたくさんあります。たとえば小学校などでは、体育の授業でスキーやそりをします。休み時間にも、運動場に積もった雪で、雪だるまやかまくら、雪の滑り台を作ったり、雪合戦をして楽しむことも。また、車で気軽に行ける範囲にスキー場があることも多いので、毎年たくさんの人たちが冬のスポーツを楽しんでいるのです。
その他にも、雪の保冷庫を使ってお金を節約しながら食料や生花を保存したり、寒い地域でしか作れない野菜を栽培して全国に販売したり、雪解け水を使った水力発電を行ったり…と、雪を上手に利用している地域もたくさんあります。雪国の人たちは、いろいろなアイデアによって、雪と一緒に楽しく、快適に暮らしているのですね。