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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
生活・健康・安全アドバイス - 家庭での対応
気に入らないことや自分がしたくてもできなかったことがあると、床に頭を打ちつけることがあります。
2歳になったばかりの男の子です。1歳になったときから気に入らないことや自分がしたくてもできなかったことがあると、すぐ床に頭を打ちつけることがありました。
すぐ抱っこしたり「痛いからやめよう」というと、すぐやめていたので今まで様子を見ていたのですが、先日窓やドアで遊ぶので「危ないから指を挟んだら痛いよ」と強い口調ではなく普通に言ったのに、壁にがんがん顔を打ちつけ血が出て鼻に傷ができました。外では、コンクリートにしています。
親としてもそろそろ危ないことや、やってはいけないことを教えたいのですが、それがあってどこまで言っていいのかわかりません。言葉を話せるようになって自分の意思を伝えられるようになったら治りますか?
言葉の理解や意思表示がまだ十分ではないのでこのような行為をするのかもしれません。もし発達の心配があるようでしたら、一度専門医に相談して、発達チェックをされた方がよいかもしれません。
気に入らないことがあると壁や床に頭を打ちつけるなどの行為は、言葉がまだ十分に発達していない時期に見られることがあります。
この場合は一過性のもので言葉の理解ができてきたり、言葉で表現ができるようになると自然に減ってきます。
いやだという気持ちを、頭を打ちつけることでアピールしていますので、チラッとおうちのかたの様子をうかがいながらやっていることが多くあります。また頭を打ちつければ痛みも感じていますので、子どもなりに加減をしている様子がわかります。
おうちのかたが危ないことを教えようとしているのに、お子さんにとってはまだ何が危ないのかが理解できず、ただ「だめ、いけない」という言葉で自分のしていることがすべて否定、拒否されていると感じているのでしょう。このような行為をしなくても済むような環境にしてあげることが一番ですが、毎日の生活ではそうもいきません。
1歳を過ぎると興味が広がり、自分の要求を満たすために動きが活発になってきますので、そのために危険と思える場面が少なくありません。ついつい注意したり叱ったりしていることが多くなっているかもしれません。
危ないことをお子さんが始めたときは、気分を変えてほかの遊びに誘ってみてください。
もし頭を打ちつけるなどの行為が始まったときは、クッションなどを頭と壁の間に挟んで保護してあげることも必要です。ご相談の内容から血が出るまで打ちつけてしまうという状況が少し心配です。
言葉の発達がどの程度なのか、自分の要求を伝えることができるのか、おもちゃへの興味があるか、限られたものにしか興味を向けないことがあるか、おうちのかたに共感を求める場面があるか、同年齢の子どもとかかわろうとするか、ふだんから痛みの感じ方はどうか、体の動かし方の不器用さはないかなど、発達全般について何か気になることがあれば、一度発達のチェックをされることをおすすめします。