子どもが本嫌いにならないために...おすすめ絵本ベスト5(2歳~3歳)
少しずつ言葉を覚え、話ができるようになってくる2~3歳児には、絵本を見ながら子どもが何かを発見できるような作品が好まれます。この年代におすすめの5冊を、紀伊国屋書店新宿本店6階・児童書コーナー担当の大塚梓さんに聞きました。(5冊の並びは順不同です。ランキングではありません)
『100かいだてのいえ』
作:いわいとしお
出版社:偕成社
発行年:2008年
ページ数:32ページ
価格:1,200円+税
100階建ての家の最上階に住む「だれか」から、「遊びにきてね」と手紙をもらった主人公のトチくんは、100階をめざして、上へ上へと歩いていきます。この本は縦にページをめくり、下から上へと読み進めていきます。見開きがちょうど10階分で、各階の部屋に住む動物たちの様子が細かく描かれていますので、読んでいるお子さまは大小さまざまな発見をしてくれるでしょう。そして、100階にたどり着くと……。印象的なラストシーンは、おうちのかたにも好評です。
『しろくまのパンツ』
作:ツペラ ツペラ
出版社:ブロンズ新社
発行年:2012年
ページ数:32ページ
価格:1,400円+税
パンツをなくして困っているしろくまさんが、ねずみさんと一緒にパンツを探しにいきます。ページをめくると、カラフルなデザインのパンツが。「これがしろくまさんのパンツ?」「ちがうよ」という会話があり、さらにめくると持ち主が現れる仕掛けです。おむつを外してパンツをはくようになる前後のお子さま向けに、とても人気です。紀伊国屋書店新宿本店では、おすすめすると約9割のかたがご購入されるほどです。
『はらぺこあおむし』
作・絵:エリック・カール 訳:もり ひさし
出版社: 偕成社
発行年: 1976年
ページ数: 25ページ
価格:1,200円+税
およそ40年前に初版が発行された、世界的ベストセラーです。日曜日の朝にたまごからかえったあおむしは、おなかがぺこぺこ。月曜日にりんごを1つ食べ、火曜日に梨を2つ食べ……。曜日や数の認識を織り込みながらストーリーは進み、最後にあおむしはきれいなちょうちょに変身します。原書版『THE VERY HUNGRY CATAPILLER』(3060円+税)や、日英併記版の『英語でもよめるはらぺこあおむし』(1600円+税)をお求めのかたもいらっしゃいます。
『よるくま』
作・絵:酒井駒子
出版社: 偕成社
発行年:1999年
ページ数: 32ページ
価格:1,000円+税
国際的にも有名な絵本作家、酒井駒子さんの作品の中でも、この『よるくま』はとても人気があります。ストーリーは、母親を探す子ぐまのために、人間の男の子が一緒に探しに出かけるというもの。不安そうな子ぐまを助けてあげたいという男の子の気持ちが、読んでいる子どもの心に響きます。子ぐまがやっと母親を見つけ出すシーンは、働くママたちの心も動かすことでしょう。
『バムとケロのにちようび』
作:島田ゆか
出版社:文溪堂
発行年: 1994年
ページ数: 32ページ
価格:1,500円+税
おおらかで面倒見のいいバムと、無邪気で遊び好きなケロという、愛らしいキャラクターが登場します。大人気の「バムとケロ」シリーズの中でも、第一作目として世に出されたのが、この作品です。グラフィックデザイン出身の絵本作家、島田ゆかの描く絵は、1点1点、インテリアの細部までとても細かく描き込まれているので、お子さまは読むたびに新しい発見をしてくれることでしょう。
お子さまも2~3歳になると、読み聞かせの途中に自分の気づいたことをどんどん教えてくれるようになります。何度も一緒に読んだ絵本でも、新しい発見があるかもしれません。絵本を読みながら、おうちのかたとおしゃべりすることが、お子さまにとって最大の楽しみになるでしょう。