自由研究にぴったりな動物園! 新たな魅力を発見するには?
夏休みに動物園を訪れるなら、動物の生態や暮らしについて詳しい「動物解説員」と一緒に見学する「ガイドツアー」に参加してみよう。観察方法を知ることで、今まで気付かなかった動物の特徴を発見できたり、夏休みの自由研究にも生かせたりする。上野動物園で動物解説員を務める小泉祐里氏が、ガイドツアー参加の楽しさを語ってくれた。
動物園に来たお子さまから「動物が寝ていてつまらない」「動かないのでおもしろくない」という声を聞くことがあります。確かに生き生きと活動している場面のほうが、動物の魅力を感じやすいと思います。ただ、寝ていたり、動かなかったりする時間も動物にとっては大事な時間。自然の姿を観察して理由を考えてみるのも、実はとっても面白いんですよ。そんな動物の観察方法を教えてくれるのが、動物園の「ガイドツアー」です。
上野動物園のガイドツアーでは、動物の食べものに注目したり、動物の暮らす場所を考えてみたり、ユニークな体の動きを追いかけたりと、いろいろな角度から動物たちを見て回ります。
たとえば、「水辺の動物」ツアーでは、アジアゾウ・バク・カピバラ・アシカ・アザラシ・ホッキョクグマなど水辺に暮らす動物を見学します。これらの動物が、水辺に住む理由はさまざま。たとえば、ゾウが水浴びするのは、暑い国で暮らしているので体温を下げたり、虫をはらったりするためですが、バクは敵から身を守るために水に入ります。
水辺に住む動物たちは、水の中で生き抜くうえで便利な体のつくりをしています。たとえば、アシカの長いヒゲには、魚を食べるための大切な役割があります。根元にたくさんの神経が集中しており、水中で魚が出す波を感じることで、見通しのきかない水の中でも狩りができるのです。
動物解説員は、参加者のかたがどのように動物を観察したら、いつもと違う観察ができるかを考えながら企画しています。一度ツアーに参加していただければ、いつもとは違う動物園の楽しみ方に気付いてもらえるはずです。