とても怖がりな小3男子の将来が心配、悩む保護者に専門家がアドバイス
ほかの子は平気でやれることを、我が子は怖がってやろうとしない。そんな姿を心配する保護者もいるだろう。「こんなに怖がりでは将来が心配」と言う小3男子の保護者の悩みに、教育評論家の親野智可等氏がアドバイスをする。
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【質問】
とても怖がりで困っています。一人で部屋にいるのを嫌がり、テレビで戦いの場面が出るとチャンネルを変えます。線香花火も怖がり、無理に持たせようとすれば大泣きです。ジェットコースターどころか滑り台も滑りません。こんなに怖がりでは将来が心配です。育て方に問題があったのでしょうか?
(小3男子の保護者)
【親野智可等氏からのアドバイス】
親としては心配になりますが、成長するにつれて普通になっていきますから、大丈夫です。生まれ持った個性であって、育て方に問題があったということではありません。男の子だから強くて当たり前などと考えることも、怖がりを無理に直そうとする必要もありません。経験を積むうちに慣れていきますので、保護者には待つ力が必要です。
泣きたい時には泣かせてあげましょう。泣くことで恐怖によるストレスが発散され、気持ちが楽になります。恐怖を押さえつけると、その反動で怒りの感情が強まり、攻撃的になるといわれています。子どもの怖い気持ちを否定せず、受け入れて共感してあげてください。子どもは「自分がどれくらい怖い気持ちでいるかわかってもらえた」と感じ、安心します。
「こんなことで怖がってどうするの? なさけない」
「そんなことで泣いていると恥ずかしいよ」
「あんな小さな子でもできるのに……」
こういう言葉は子どもを深く傷つけ、自己肯定感が持てなくなるので、言わないでください。常に「ありのままのあなたでいいんだよ」というメッセージを伝え、本人の好きなことや得意なことを応援しましょう。すると、子どもは自分を肯定できるようになります。この自己肯定感さえあれば、子どもは自分のペースで着実に伸びていくことができます。