保護者が勉強を「教えてあげる」より「教えてもらう」ほうが、子どもは伸びる!?
新年度は、子どもたちのやる気も芽生えやすい季節。そんなタイミングに試して欲しい、勉強に関する親子のコミュニケーション法を、国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチの石川尚子氏が伝授する。
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コーチング講座に通ってくださっているSさんのご家庭のお話です。Sさんのお子さんは、小学生のころからあまり勉強が好きになれず、中学校に入ってからも、成績は今ひとつだったそうです。ところが、ふとしたきっかけから、勉強に興味を持ち始め、成績も上がってきたというのです。
Sさんがお子さんと勉強の話ができるようになった大きなポイントは、Sさんが、どんな話でも興味深く聴いてあげたことです。「へー! そうなんだ! 面白いね。お母さんも勉強になったわー」と言って聴いてもらえたら、お子さんもうれしくなり、どんどん話したくなるでしょう。
また、Sさんは時々、お子さんを冗談で先生扱いするようにもなりました。するとしだいに、お子さんのほうが、得意そうに説明をしてくれるようになったと言います。さらに、うまく教えられない問題があると、自分で調べ始めるようにもなりました。こうして、おのずと勉強するようになったそうです。
人に教えてあげようと思ったら、自分自身が理解していないとできません。誰かに教えているうちに、自分でも「わかっていなかったこと」に気が付きます。これがアウトプットによる効果です。自分の内側にある理解を外側に向かって発信することで、理解が深まったり、理解していないことに対する気付きが起きたりします。これは、聴いてくれる人がいるから起きることです。
新学年になって、皆さんのお子さんが学んできたことを、Sさんのように、興味を持って質問し、耳を傾けてみられるのはどうでしょうか。