生の英語に触れられる! 今話題の「親子留学」の意義を、言語教育の専門家が解説
小学校でも英語が教科化されるなど、英語教育への関心が高まる中、親子で英語圏に出かけて、気軽に生きた英語に触れられる「親子留学」が注目されている。親子留学の意義について、言語教育学、バイリンガリズムが専門の豊田ひろ子氏に伺った。
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親子で英語圏に出かけ、気軽に生の英語と親しむ体験をしてみようというのが「親子留学」。最近は、語学学校や旅行会社が、さまざまな企画を用意しています。
ただその多くが数日~数週間程度の短期滞在ですから、行ったからすぐ話せるようになる、というものではありません。重要なのは、生活の場で使われている生の英語に触れ、「英語が使えるとどうなるのか」という実感を得ること。その実感が、英語を学ぶ原動力となるからです。
英語を学ぶ目的は、「コミュニケーションツールとして英語を使いこなせるようになること」です。そして、日本人としてのアイデンティティをきちんと持った上で、さまざまな国の人と語り合い、共通点や差異を認め合える、国際人としての感覚–いわば「みんな違って、みんないい」感覚を身に付けることが理想です。
子どもは、脳の発達段階から見ても、論理よりも体験から、全身を使って学ぶことが得意です。また、上のような国際感覚を身に付けるなら、大人のように気負いやコンプレックスを感じることのない、幼いうちほどよいといえます。ですから、保護者と一緒に、安心して楽しく異文化体験ができる「親子留学」は、英語を学ぶ意欲を高めるのに有効と考えられます。