科学のプロフェッショナルが教える、ワンランク上の自由研究
小学校や中学校の夏休みに出される課題としておなじみの自由研究。科学のおもしろさを知るとてもよい機会のはずだが、近年では必須課題としない学校も増えているという。子どもたちにとって、科学の入口でもある自由研究を深めさせるにはどうしたらよいだろう? 筑波大学生物学類のサイエンスコミュニケーターとして、未来の科学者を育成するプロジェクトに関わる尾嶋好美氏に、自由研究を深める4つのポイントを伺った。
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(1) 誰も知らないことを研究しよう!
インターネットで検索してわかるようなことではなく、誰も知らないことを研究するとおもしろいです。どんなに小さなことでもかまいません。たとえば、生物の生態研究はおすすめのテーマです。好きな動物、好きな昆虫のまだまだ知られていない生態について、調べてみるのはおもしろいかもしれません。
(2) 何と何を比べるかはっきり決めよう!
テーマを決めたら、自分なりの仮説を立て、その仮説を立証するために実験を行い、結論を導くのが自由研究の流れです。実験でポイントになるのは、何と何を比べるか決めること。その際、比較するもの以外の条件をすべて同じにすることが大切です。
(3) 正確に計量、計測しよう!
科学実験では、何度やっても同じ結果が得られるという再現性がとても重要になります。条件を変えて実験した場合に、比べられるようにするため、正確な計量や計測をすることがポイント! 量であれば、1グラム単位で量れるはかりを使って計量しましょう。
(4) 予想どおりの結果にならなかったら?
予想どおりの結果にならなかった時こそ、オリジナルの自由研究をするチャンスです。原因を細かく考えてみましょう。そして実験の条件を少しずつ変えていき、結果を比べてみてください。