【体験談】受験のための宿泊先、いつ・どう選ぶ?

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秋本番。お子さまも志望大を本格的に決定し、受験勉強も佳境に入ってきたのではないでしょうか。
入試会場が自宅から遠い場合は、前日までに現地入りし、宿泊先から試験に向かう必要があります。
大学受験のための宿泊では、保護者のかたがお子さまに同行するケースもよく見られます。

今回の記事では、大学受験で宿泊を経験した大学生へのアンケート結果をもとに、「大学受験のための宿泊施設選び・予約」についてご紹介します。
宿泊をしなければいけない場合でも、お子さまがベストコンディションで入試当日を迎えられるよう、経験者の声からわかった貴重な情報を、宿泊先選びや予約の参考になさってみてください。

この記事のポイント

年内に宿泊予約をした人が約6割!
約8割のご家庭では保護者が予約

まずは大学生へのアンケート結果からわかった、「宿泊予約のリアル」を見ていきましょう。

■年内に宿泊予約した人が約6割

「宿泊先をいつ予約しましたか?」という質問に対して、約39%の人は「1月以降」と回答。
これは、大学入学共通テストの結果がわかってから志望大を最終決定する人が多いからだと考えられます。
一方で、「10月より前に予約した」という回答も約27%と約3割に上りました。
また、10・11・12月に予約した人もそれぞれ約11%程度おり、年内に予約を済ませた人は合計で約61%見られます。

宿泊先決定にあたっては、各大学生協による宿泊パックや、旅行会社が企画している交通費と宿泊費をセットにした宿泊プラン各ホテルの受験生応援プランなどさまざまな選択肢があります。
まずは「〇〇大学(志望大) 受験 宿泊」などのキーワードで検索してみてはいかがでしょうか?

価格が手頃で好立地の宿はすぐに埋まってしまうので、志望大が決まった時点で早めに予約しておくとよさそうです。
万一志望大を変更することになっても、一定期間まではキャンセル料金がかからない場合も。
予約をする際は、キャンセル規定も念のため確認しておきましょう。

■「保護者が宿泊予約をした」というご家庭が8割超

「宿泊先を予約したのは誰ですか?」という質問に対して、約82%の人が「保護者」と回答しています。

宿泊予約する人が多い秋から冬にかけては、お子さまも受験勉強や模試でとても忙しい時期。
また、お子さまが自分で宿泊予約をすることに慣れていなかったり、支払いを保護者のかたが行ったりすることなどから、保護者のかたが予約を担うケースが多いと考えられます。

多くの受験生が宿泊先選びで重視したのは「立地」「費用」

今回のアンケートでは、「宿泊先選びで重視したことは?」という質問も投げかけてみました。
結果は、「立地」と「費用」(宿泊費)を挙げた人が特にめだちましたが、「設備」や「食事」などを重視した人も。
「どんな環境なら快適に過ごせるか」「自分にとってどの要素が大切か」はお子さまによって異なります。
ご家族でよく相談しながら、重視したい項目を満たす宿泊施設をピックアップして選ぶとよいでしょう。

(体験談)
●「立地」を重視した人の声

当日、交通機関が乱れてもあわてないように、複数の電車が利用できるターミナル駅から近いホテルを予約しました。
(神戸大 海洋政策科学部 J・Kさん)

●「費用」を重視した人の声

交通費だけでもかなりお金がかかるので、できるだけリーズナブルなホテルを探しました。
(東北大 文学部 T・Hさん)

●「設備」を重視した人の声

試験前日はお風呂に浸かってゆっくり温まりたかったので、家族に頼んでユニットバスではなくバス・トイレ別の部屋を予約してもらいました。
(京都大 農学部 N・Mさん)

●「食事」を重視した人の声

朝食バイキングを実施しているホテルを選びました。コンビニなどに朝食を買いに行く心配をしなくて済んだし、自分の体調に合わせて食事の分量を調整し、身体にやさしい食品を選べてよかったです。
(富山大 薬学部 A・Nさん)

「宿選び・予約」の成功&反省エピソード

お子さまが遠方での入試を初めて経験するご家庭だと、「どんなふうに宿泊施設を選んだらいい?」と迷ってしまうかもしれません。
そんな時は、経験者の意見を参考にするのも一つの方法です。
先輩大学生が実感した成功&反省ポイントを押さえて、宿選び・予約にお役立てください。

■成功ポイント:早めの予約と「過ごし方シミュレーション」で快適ステイ!

アンケートで寄せられた意見を拾ってみると、「やってよかったこと」として特に多く挙がったのは「早めに予約してよかった」という声でした。
そのほか、「交通アクセスがよい場所」「コンビニや飲食店が近くにある」など、立地に関してのよさを実感する人もめだちました。
さらに、「朝食付きで安心だった」「部屋にデスクがあってよかった」「加湿器やアイロンを借りられた」などプラン内容や施設・設備面に関するコメントも。
いずれにしても、試験前日から当日にかけての過ごし方や起こり得るトラブルをイメージしながら、よりよい宿泊施設を早めに押さえるとよさそうですね。

(体験談)

母は、私が早稲田大学を受験をすると決めた直後にホテルを予約してくれました。おかげで安心して勉強に集中できた気がします!
(早稲田大 スポーツ科学部 M・Oさん)

試験前日にしっかり勉強したかったので、大きめのデスクが部屋に置いてあることを重視してホテルを選びました。集中できる環境で最後の仕上げができて助かりました。
(信州大 繊維学部 S・Mさん)

■反省ポイント:「価格と立地だけで選んで後悔……」という声も

後悔・反省ポイントとして多くの人が挙げたのが、「もっと早く予約すればよかった!」という点でした。

特に、「大学入学共通テスト後に予約したら、好アクセスでリーズナブルな宿泊施設は空いていなかった」という声が非常にめだちました。
一方で、「価格や立地を重視して選んだが、部屋が狭く設備が悪かった」という声も。
宿泊先の候補が見つかったら、レビューなどをチェックしてみるとよいかもしれません。

(体験談)

ターミナル駅に直結するホテルに宿泊しました、交通の便がよく試験会場には行きやすかったのですが、夜中までとてもうるさく、前日はよく眠れませんでした。高層階の部屋を選ぶなどして、もう少し騒音対策を心がければよかったです。
(筑波大 人文・文化学群 T・Kさん)

試験前日の夕食は外食でしたが、周りに飲食店が少なくて困りました。落ち着いて体調を整えたい場合は、2食付きの宿泊プランを選ぶとよいかもしれません。
(新潟大 創生学部 H・Bさん)

使い慣れた日用品や安眠グッズを持参した人が多数

最後に、大学生が教えてくれた「遠方受験に持参するとよいモノ」をご紹介します。

多くの人は着慣れたパジャマやいつも使っている日用品、安眠グッズ、使い捨てカイロなどを持って行ったようです。
中には自分の枕や小型の加湿器を持って行った人も。
宿泊施設の予約が終わったら、「どんな備品がそろっているか」「貸し出しは行っているか」を確認し、何を持って行くかを検討しましょう。
また、宿泊施設によっては部屋の照明が暗めで勉強がしづらいこともあります。
卓上のデスクライトを貸してくれるところもあるので、気になる場合は事前に確認しておくとよさそうです。

なお、持参する教材に関しては、「暗記事項がコンパクトにまとまった教材」「使い慣れた薄い問題集」という声がめだちました。

(体験談)

ホットアイマスクを持って行きました。前日は緊張して眠れなくなったりするかもしれないので、リラックスに役立つアイテムを持っていくのがオススメです!
(高知県立大 健康栄養学部 F・Nさん)

移動時間も長いし、ホテルの部屋が勉強に向いた環境とは限らないので、サッと要点を確認できるコンパクトな暗記教材を持参しました。空き時間を活用できてよかったです。
(北海道教育大旭川校 教育学部 K・Nさん)

自宅と環境が違うと不安になってしまうので、普段の過ごし方を再現できるように、着慣れたパジャマいつも使っているスキンケア用品を持って行きました。おかげで前日は安心して過ごせました。
(名古屋市立大 人文社会学部 K・Kさん)

まとめ & 実践 TIPS

自宅を離れた遠方での受験は、自宅からの受験よりも緊張しやすいかもしれません。
入試本番を控えたお子さまができるだけリラックスして過ごせるよう、保護者のかたとしては宿選び・予約をしっかりサポートしてあげたいところ。
今回ご紹介したポイントもご参考に、快適な「受験ステイ」を実現できるとよいですね。

※2024年8月に行った進研ゼミ受講経験のある大学生向けアンケート(149人回答)に寄せられた体験談をもとに作成。

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