夏休みは合格後に 中学受験を控えた小学6年生に専門家がアドバイス

夏休みは合格後に 中学受験を控えた小学6年生に専門家がアドバイス中学受験を考えている小学6年生は、夏休みどころではないかもしれない。しかし、夏期講習で初めて入試問題形式の演習に触れて焦る子どもも少なくないという。そこで、ベネッセ教育情報サイトでは、森上教育研究所の森上展安氏に、6年生の夏休みに向けて準備しておきたいことを、話していただいた。

 

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6年生の夏休みの課題は、苦手克服です。また、夏期講習の後半には入試問題形式の演習を行う塾も多いですね。実際に演習を受けてみて、多くの人が気付くことは、「国語の問題文を読むスピードが遅い」、「記述問題ができない」、それと「計算が苦手」ということです。つまり、読み、書き、計算という基礎が足りない人が多い、ということです。

 

文章を読むスピードを上げ、なおかつ読み飛ばさず、内容を正確につかみながら読むには、時間を計りながら黙読してもらい、「どんなお話だった?」「誰と誰が出てきて、どんな関係なの?」などと質問して、ご本人に説明してもらう方法がよいでしょう。問題を解くより口で説明するほうがハードルも低く、お子さまも保護者のかたとのやりとりを楽しみながら読む力を付けることができます。

 

記述問題が苦手な場合、まずは「30字でまとめる」練習から始めてください。いきなり「書く」のが難しければ、自分の考えを「話す」ことから始めてもよいのです。記述は、(1)「自分なりの答えを出す」→ (2)「それを言葉にしてみる」→ (3)「人にわかるように、指定字数内でまとめる」という作業であり、大人でも骨が折れますが、「話す」から始めることで、自分の考えを気軽に言葉にする習慣が付きます。「読む・書く」力を身に付けるために、「聞く・話す」訓練はとても役立ちます。

 

6年生は、お盆の数日を除いて毎日勉強、というハードな夏になることでしょう。短い休日には、できれば自然の中へ出かけ、身も心もリラックスできる時間をつくってあげられるとよいですね。費用はかかりますが、海外もよい選択です。日本語が通じない環境では、言葉に対する感覚が鋭くなり、よい刺激が受けられます。また、保護者のかたご自身の息抜きもとても大切です。短いお休みでも、ご家族でのんびりと楽しめるようなプランを、ぜひ立てておいてください。

 

出典:夏休みに向けて課題を整理する[中学受験 6年生] -ベネッセ教育情報サイト

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