数学ってどんな学問?
世の中にはたくさんの学問があります。どんな内容で、何を学んでいくのか知っておくことは、自分の興味や関心の方向性を探れることはもちろん、進路を決めるために、大いに役立つでしょう。今回は「数学」を取りあげます。
数学とは?
大学では、高校までに学んできた数学のさらに高度な分野に入り、研究を進めていきます。近年は、自然科学、社会科学、工業分野などで利用する「応用数学」、トポロジーや代数・幾何、解析などの分野を幅広く活用し、理論物理学を展開する「数理物理」など、新たな展開を見せている分野にも注目です。
数学ではどんなことを勉強する?
数学の基礎的な分野は、以下の三つに分けられています。
代数学:多元方程式(何種類もの文字を使った方程式)や、「数学の女王」といわれる整数論の研究をする。
幾何学:高校で学ぶ微分法を踏まえた微分幾何学と、位相幾何学と呼ばれているトポロジーなどを研究する。
解析学:微分・積分をさらに発展させた分野の研究。物理学の力学や電磁気学と密接な関係がある。
数学で学ぶ「概念」(考え方)は、「物事の本質を見極める」という点で非常に役立つものとされ、数学以外の分野にも応用されています。そのため、数学に限らず物事を理論的に考えていく力を養う必要が出てくるでしょう。
数学の講義はどのように設定されているか
既に触れた基礎的な分野、代数学・幾何学・解析学の3領域に関する科目は、共通科目として誰もが学ぶことになります。その上で、基礎理論を学ぶ「純粋数学」か、どう基礎理論を生かしていくかという方法論を学ぶ「応用数学」かを選択し、より専門的な研究に携わります。
純粋数学の研究は、代数学・幾何学・解析学を重点的に学び、3年次以降にこの3領域の中から専門的に研究するものを選択します。応用数学は、基礎を学んだ後に、物理学、化学、生物学、統計学など、数学以外の分野で数学を応用していくための発展した知識を身につけます。
数学を学んだ人々の卒業後の進路
数学とコンピューターは切っても切れないものであり、就職先はシステムエンジニア、プログラマーなどのコンピューターに直接関わる職業が多いといえます。その他、電気機器メーカー、医薬品工業など、データ統計・分析などの数学的思考を生かす分野での活躍が目立ちます。競争率は高くなりますが、数学教師として教育に携わるという選択肢もあるでしょう。