中学受験に必要な読解力 2014年度入試の出題傾向から専門家がアドバイス
中学受験に向けて読解力をもっと伸ばしたい。そのためにはどんな分野の本を読ませればよいだろうか? そんな保護者の質問に、平山入試研究所の小泉浩明氏が、国語問題の出題傾向を示しアドバイスする。
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【質問】
進学塾に通うようになって、読解力が付いたように思います。けれども、普段読む本に比べて、出題される文章が難しく、これから伸び悩みそうです。物語文はよく読みますが、説明文はほとんど読みません。最近、伝記を読むようになってきましたが、読解力を付けるのに役立つのは、どのような分野の本でしょうか?(小4女子の母親)
【小泉氏からのアドバイス】
書籍のジャンルは多々ありますが、その中でも子どもたちがよく読むのは、推理小説、歴史・時代小説、伝記やノンフィクション、ファンタジー、SF・ホラー、ライトノベル、児童文学といったところでしょう。その中で中学入試に比較的役立つジャンルといえば、ノンフィクションや児童文学だと思います。
2014年度の中学入試における、首都圏の国立・私立中学校の国語問題を分析したところ、物語文が42.7%、説明的文章が47.1%、韻文や随筆がそれぞれ約5%という出題率でした。多くの学校が読解問題を2つ出題し、物語文と説明的文章あるいは随筆と説明的文章という組み合わせが多いようです。
物語文では現代小説、児童文学からの出題がほとんど、説明的文章は、ノンフィクションと評論が主です。小学生がよく読む伝記はノンフィクションに分類されますが、入試ではほとんど出題されていません。つまり、子どもたちが普通に読みたがる本からはあまり出題されないのが現状です。
読書は、基礎的な語彙や文字を読む力を高めるためのものと考え、それ以上のことはあまり期待しないほうがよいかもしれません。中学入試対策としては、入試問題を解いていくことで読解力を鍛えていくのが、賢明といえそうです。
出典:読解力を付けるのに役立つのは、どのような分野の本でしょうか?[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト