「使える英語力」を求めて 高校・大学で、入試への外部試験導入に現実味
大阪府教育委員会が府立高校の入試に、TOEFL®など外部の英語能力試験の成績を活用できる方針を決めるなど、今、入試への外部試験導入議論が活発になっている。その動向を、安田教育研究所の安田理氏が解説する。
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大学入試改革の論議の中で、外部試験の結果を活用する案が議題に上っていますが、ここへきて国立大学でも実際に活用することを表明する大学が出てきています。
筑波大学は、早ければ2016年度一般入試から、英語の「読む・聞く・話す・書く」という4つの力を測る外部テストの成績を選考材料に利用すると発表しています。今後、各学群(学部に相当)で利用方法などを検討します。筑波大学は教育・研究のグローバル化に対応するため、「話す」も含めた英語力が不可欠として、「高校生に英語の4技能を勉強してきてほしい」と話しています。
一方、東京海洋大学は海洋科学部の2016年度入試から、「TOEFL®」テストなど外部の英語能力テストで一定以上の成績を取ることを出願条件にすると発表しました。一般入試だけでなく、推薦やAOなどすべての入試を対象とするとしています。
このほかの大学でも、長崎大学に新設される多文化社会学部で、受験生がTOEFL®テストなどの成績で同大指定の基準点を超えていれば、大学入試センター試験の外国語得点を満点とする仕組みを導入します。ここへきて急に、高校・大学とも「使える英語力」を求めるようになっています。ですから、普段のお子さんの勉強もテキストをこなすだけでなく、こうした方向を意識したものにしていただきたいと思います。