『あまちゃん』で注目の「方言」から、社会を読み解く力を育む大学研究室

『あまちゃん』で注目の「方言」から、社会を読み解く力を育む大学研究室大学や学部をどのように選び、何を学べば将来に生かせるのか。そのヒントを求めてさまざまな大学の研究室を訪ねるシリーズ。今回は方言などを研究する日本大学の田中ゆかり教授の研究室に伺った。身近な日本語を手がかりに社会の変化を描き出そうと、厳しくも温かい学びが行われている様子をレポートする。

 

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私のゼミでは、言葉を通じて社会を読み解きたいと思っています。言葉は、多くの場合その時代を反映すると考えます。同じ言葉や表現でも、時代によって受け止められ方が違います。たとえば、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で注目が集まった「方言」。東北弁なら「素朴」、関西弁なら「おもしろい」、九州弁なら「男らしい」など、方言にはさまざまなイメージがあります。そのイメージを利用して、自分の故郷でもない地域の「方言」を使ったキャラクターを立ち上げる行動を、私は「方言コスプレ」と名付け、言語研究の分析対象として注目しています。

 

「方言コスプレ」が生まれた背景には、社会の変化があります。以前は、どんな時にも変わらない「自分らしさ」を追求することが理想とされました。しかし複雑な現代では、状況や役割によって自分の立ち位置を変えることが求められます。「方言コスプレ」は、現代にフィットする言語行動なのです。

 

また、かつてはテレビドラマやCMで方言を使うと苦情が寄せられたものですが、今や「方言コスプレ」番組や方言CMも花盛り。ここからも、社会の変化が見えてきます。

 

学生たちには、言葉に関するさまざまなテーマを自主的に選択させ、研究させています。何をどう調査すると自分の主張したいことが言えそうか、粘り強く考え抜くことに重点を置きますので、私の指導は優しいとはいえないと思います。ダメ出しを乗り越えるために知恵を絞り、調査を重ねて得られた結果は、その人にしか出せないかけがえのないもの。その行程は、人生のさまざまな局面で役に立つと思うのです。

 

出典:日本大学 文理学部国文学科 『あまちゃん』の「方言コスプレ」から社会が見える -ベネッセ教育情報サイト

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