お子さまの「起きられない」悩み。どんな対策をすべき?

「いつまで寝てるの!起きなさい!」と、忙しい朝、なかなか起きないお子さまを起こすことに苦労している保護者も多いと思います。学校に遅刻したり、慌てて出かけて忘れ物をしたり、寝坊はお子さまの生活にとって悪影響以外の何物でもありませんよね。
お子さまが自ら起きて活動できるようになるためには、どのように対処していくことが必要なのでしょうか?

生活習慣を見直そう!

早起きできない大きな原因として、生活習慣の乱れがあります。改善ポイントを挙げればキリがありませんが、以下のことをまず見直しましょう。

【1】夜は早く寝るようにしよう
誰でも身に覚えがあると思いますが、夜遅くまで起きていれば、当然、朝目覚めるのがつらくなりますよね。
体が大幅に成長する小学生のお子さまは、10時間ほどの睡眠が必要と言われています。7時に起きるのであれば、21時には寝る準備をして布団に入っていることが望ましいです。
眠る前に、テレビやゲーム、スマートフォンの画面を長時間見ていると、スマートフォンやテレビの光が脳に刺激を与え、睡眠のリズムを狂わせてしまい、寝坊の原因となってしまいます。一切禁止するのは難しいかもしれませんが、「20時以降はさわらない」など、ルールをつくってきちんと守るように約束させましょう。

【2】寝る時間と起きる時間を固定しよう
休日の朝だからとふだんより遅くまで眠っていませんか?せっかく平日早寝早起きの習慣が身についても、週末夜遅くまでテレビを見たり、休日の午前中にだらだらと眠ってしまったりすれば、平日の苦労は水の泡になってしまいます。
このような変則的な睡眠は、体内時計を乱れさせ、「集中できない」「体が重い」などのような時差ぼけに近い症状をもたらしてしまいます。

【3】太陽の光を浴びよう
朝、太陽の光を浴びることにはとても重要な意味があります。本来、人間の生体リズムは1日よりも少し長い約25時間で刻まれていると言われており、意識せずに過ごしていると少しずつ起床時間がずれていくのです。
太陽の光は「覚醒スイッチ」です。体内時計を毎朝リセットし、日中活動的に過ごすためには、朝太陽の光を浴びることがとても大切です。寝る前にカーテンを開けておき、朝陽が出たら自然と朝日を浴びられるように環境を工夫してみましょう。また、1日3食決まった時間に食事をとることも、体内時計をととのえるのに有効です。

意識を変えよう!自分の行動に責任をもつことを覚えさせる

お子さまが寝坊したとき、「どうして起こしてくれなかったの!?」と責められた経験があるかもしれません。自分の寝坊を保護者のせいにするのは、自分の行動に責任をもっていないことの裏返しです。
自分自身の力で起きることは、「自己責任」を学ぶ良い方法です。寝坊して遅刻してしまえば、他でもない自分自身が困り、恥をかき、またまわりにも迷惑をかけてしまうことを強く意識させましょう。
いきなり「明日から自分で起きなさい」と言われても難しいと思いますが、少しずつチャレンジさせることが大切です。ひとりで起きることに成功したら、保護者のかたも大げさなくらい喜びましょう。失敗と成功を重ねながら、自立心を育むのです。

生活習慣が原因でなければ病気が隠れているかも?

規則正しい生活を送っているにもかかわらず起きることができない場合、病気が隠れている可能性もあります。高校生以下のお子さまが起きられない原因として、起立性調節障害という病気があります。これは、脳や全身の血流が悪くなり、血圧も低下してしまう自律神経失調症の一種で、朝起きられないことのほかに、思考力・集中力の低下や倦怠感、めまいなどの症状が見られます。
中学生の10%がこの起立性調節障害にかかっていると言われているため、決して珍しい病気ではありません。あまりにも起きられない場合は、小児科や精神科に行って適切な治療を受けるようにしましょう。

根気強く見守って

生活習慣や意識の改革は、一朝一夕にはできることではありません。保護者も根気が必要ですが、寝坊癖がついたまま大人になってしまえば、自己管理ができず苦労するのはお子さま自身です。
そうならないために、早いうちに早起きの習慣を身につけられるよう、生活習慣や意識の見直しを行いましょう。

プロフィール



看護師として、総合病院の脳神経外科、皮膚科クリニック、介護老人保健施設勤務を経験。それを活かし、現在では医療系メディアのライティング、校正を中心に活動中。

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