この時期、保護者はどうかかわるか 第2回 模試の答案に注目![高校合格言コラム]
模試の答案に注目!
前回は、お子さまの受験にあたっての、保護者のかたの在り方についてお伝えしました。今回は、お子さまの模試の答案の見方についてお話しします。
●受験校について騒がない
模試の結果が返ってくると、ほとんどの保護者は「合格の可能性」と「偏差値」に注目します。そうして「こんな成績では、〇〇校は無理かもしれない」「もっと上を望めるのではないだろうか」といった受験校のことばかりを考えがちです。
ですが、お子さまのいるところでは、受験校について「この成績じゃ難しいな」「他を探さなければならない」「これならもっと上の学校にチャレンジできるんじゃないの」……などと、あれこれ騒がないでください。保護者のかたが騒ぐと、お子さまも落ち着かなくなります。気持ちが不安定な状態では、勉強しても身に付くものではありません。
この時期、親として迷いは当然です。でも誰もがそうなのだと思ってください。お子さんが塾に通っていたら、塾の先生に相談するといいでしょう。客観的な材料を基に検討することが、迷いを解消してくれます。
●成績表では平均点と得点との差に注目
成績表で見ていただきたいのは、問題ごとの平均点とお子さまの得点との差です。平均点が低い問題ができていないのはかまわないのですが、平均点が高い問題を落としていたら、お子さまはその単元が弱いということになります。これまでに使った教材で、ぜひその単元をいま一度復習してください。
また、小問ごとの正答率もチェックして、80%以上の小問ができていなかったら、その問題は要注意です。理解そのものができていないのか、単純なミスでの減点なのか、理由をハッキリさせておく必要があります。
●答案のクセを改善
この時期最も重要なのが、まちがえたところや、なぜまちがえたかなどをチェックし、得点力を上げることです。ですから成績表以上に答案を見てください。我が子の答案作成上のクセなどに注目していただきたいのです。
ただし、保護者はどうしてもこうしたことをすると、お子さまの欠点にばかり目が行きがちです。「こんなやさしいところをまちえていてしょうがないわねぇ!」「なぜこんなつまらないミスをするんだ!」「何度同じことをくり返せば気がすむんだ!」……といったことを口にしがちです。
これではお子さまはますます苦手意識を持ち、勉強自体が苦しいものになります。答案に向かうと、かえって萎縮することにもなります。
記述問題の答え合わせでも、正解どおりでないと何度も書き直させたりする保護者のかたがいますが、そうすると、ますます記述に苦手意識が生まれます。揚げ句の果てに、空欄で提出することにもなります。少しでも合っていれば、「ここはできているじゃない」「ここはもう少しだったね。惜しかったね」といった声かけをし、お子さまの気持ちが前向きになるよう工夫してください。
また、お子さまの実力は直前まで、まだ上がるものです。保護者のかたも不安でしょうが、子どもの前ではネガティブな言葉はいっさい吐かず、「ギリギリまで精いっぱいがんばってみようね」という姿勢で臨んでください。
次回は、ご自身が受験された経験の取り扱いについてお話しします。