マンガ家の母と高校生の娘、売り言葉に買い言葉は暑さのせい?
高校生の娘を持つマンガ家・おぐらなおみ氏。日常の些細な会話をきっかけに親子関係がぎくしゃくしているようだ。娘は大切、でもその言い方は許しがたい……。自分が悪いのか? 暑さのせいなのか? おぐら氏が望むのは、心静かになるかもしれない秋の訪れ?
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このところ、ムスメとの関係がうまくいっていません。
きっかけは日常生活のささいな会話でした。
その日は休日だったのですが、ムスメは用事があるので登校する、
そのあと帰ってきてから出かけるかもしれない、とのことで、それはまあいいのです。
そのあとの一言が引っかかった。
「何時に帰ってくるかははっきりわからないけど、帰ってきたら
速攻でごはんを食べられるように準備しておいてね、すぐ出かけるから。」と。
こうして改めて反芻(はんすう)してみると、そうひどい言葉を投げられたとは思えないのですが、どういうわけかその日は引っかかった。カチーンときた。
(そうでなくても夏休み前の変則的な生活リズムに辟易(へきえき)していた部分もあったと思います。)
どうしてそう上から目線でものを言うのか。私があなたのために食事を作ることは
必ずしも当然の権利だと思わないで欲しい、的な言葉が出てしまいました、かなり強めに。
ムスメはムスメで最近のカリカリしている私にそりゃたっぷり不満だってあるわけです。
売り言葉に買い言葉とはまさにこのこと、女同士の激しい戦いの幕は落とされた!
……それからなんとなく微妙な関係が続いている、というわけです。
ムスメのことはとても大切。それは心からそう考えております。
健康のためを思い、バランスのとれた食事の準備も(面倒なときもあるけど)いたしましょう。
しかしそれを「当たり前のことだから」と、
当然の権利だと主張されるのはやはり納得がいかないのです。
私のほうが間違っているのかな。
いい親だったら、心の中でムッとしたとしてもそれをおくびにも出さず、
子どもの言う通りにごはんを準備してあげるのでしょうか?
暑さのせいかな。それだったらいいな。もうすぐ涼しい秋がやってきて、
心静かな毎日が戻ってくればいいと思う。
そんなことをずっと考えています。