中学入試、「大学合格実績が、翌年の受験者数に影響する」は、ホント?

中学入試、「大学合格実績が、翌年の受験者数に影響する」は、ホント?「中高一貫校では、大学合格実績が上昇すると、翌年の中学入試では受験者数が増加する」という話を耳にする。大学合格の実績の増減は、翌年の受験者数に影響を与えるといえるのか? 森上教育研究所を主宰する森上展安氏が近年の数字を見ながら分析をする。

 

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中高一貫校において、2012年の大学合格実績前年対比と、2013年の受験者数前年対比が増減している学校数の関係を調べてみた。

 

最難関校を例にとってみる。大学合格実績が増加した学校9校のうち、翌年、受験者数が増加した学校は4校(44%)のみ。逆に大学合格実績が減少した3校では、翌年、受験者数の増加はなかった。

 

難関校以降について調べてみると、大学合格実績が増加すると、翌年の受験者数が増加する傾向が見られた。ただし、ランクが下がるほど、受験者数の増加する割合が少なくなる傾向がある。また、大学合格実績が減少した学校で、受験者数が増加した学校があるかを見ると、中堅校で2校、一般校で1校あった。

 

すべての難易度の学校において、「大学合格実績が減少した学校の、受験者数が増加することはめったにない」といえそうだが、大学合格実績の上昇によって、受験者数が顕著に伸びることは少ない。多くの保護者が、実績「低下」した学校については、選択することを控えている様子がうかがえる。

 

大学合格実績を単年度だけで判断すると、できる生徒が多い当たり年だったことや、浪人生が多くなったことで合格実績が増加したり、その翌年は例年並みに戻っただけでも減少したりするように見えることもある。少なくとも3~5年分の推移を見て、増減傾向を調べることで、学力を伸ばしてくれる教育システムがある学校かどうか、が見えてくる。

 

出典:合格実績が伸びれば、受験者数が増える?[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト

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