2012年の世界各国の大統領選挙などについて知る
2012年11月、アメリカのオバマ大統領が再選されました。2012年にはその他、フランス、ロシア、中国などでも国のリーダーが選ばれました。こうしたニュースは、中学入試でよく問われるポイントでもあります。そこで今回は、2012年に起こったことを入り口に、各国のリーダーを選ぶ制度などについて解説していきましょう。
クイズde基礎知識
アメリカのオバマ大統領はどの党の所属?/ロシアのプーチン大統領はいつから大統領?/フランスで大統領に選ばれた人は?/習近平氏は中国共産党の党大会で何に選出された?
時事問題を学ぶきっかけになる題材をクイズ形式でご紹介します。基本情報の整理に、親子で時事問題について話題にするきっかけに、入試・適性検査対策に、お役立てください。
Q1
2012年11月、アメリカ大統領選挙で再選が決まったオバマ大統領はどの党の所属?
A.共和党
B.民主党
C.労働党
A1 正解は 「B.民主党」 です。
アメリカは、「2大政党制」の国といわれ、民主党と共和党という2つの政党が相互に政権を争い、選挙で勝った党が政権を担当するため、大統領も2つの党のいずれかから選ばれています。バラク・オバマ大統領は民主党です。
アメリカ大統領の任期は4年で、大統領選挙は4年に1回、夏季オリンピックと同じ年に行われます。ただし、選挙戦が始まるのはその前の年で、まず、民主党と共和党それぞれの党内で予備選挙などを行って、大統領候補を選びます。2つの政党以外にも小さな政党があり、そうした政党から、または無所属で大統領をめざすこともできますが、さまざまな条件があるため、実際には2つの政党のどちらかから大統領が選ばれ続けています。2012年の選挙に向けては、民主党からはオバマ氏が、共和党からはミット・ロムニー氏が大統領候補に選ばれました。
本選挙で選ばれる選挙人の数は、各州によって決められています。そして、各州で最も多くの票を集めた候補者が、その州の選挙人をすべて獲得する「勝者総取り方式」がとられています。2012年の選挙では、オバマ氏が303人、ロムニー氏が206人を獲得し、オバマ氏の再選が実質的に決まりました。この後、12月中に選挙人による投票が行われ、1月に大統領の就任式が行われます。なお、大統領に連続してなれるのは2期までと決まっているため、次の大統領選挙にはオバマ氏は立候補できません。
Q2
2012年3月、ロシア大統領選挙で選ばれたプーチン大統領について正しいのは?
A.初めて大統領に選ばれた
B.2期連続で大統領に選ばれた
C.4年ぶりに大統領に選ばれた
A2 正解は 「C.4年ぶりに大統領に選ばれた」 です。
ロシア大統領は、国民による直接選挙で選ばれます。任期は、以前は4年でしたが、2012年の選挙から6年になりました。
ウラジーミル・プーチン大統領は、2000年に、健康上の理由で引退したエリツィン初代大統領から指名されて大統領代行となり、その年の大統領選挙でロシアの第2代大統領に選ばれました。その後、2004年の選挙でも再選されました。大統領に連続してなれるのは2期までと決まっているため、2008年の選挙には立候補せず、自らが後継者に指名したメドヴェージェフ氏が第3代大統領となりましたが、プーチン氏自身も首相に就任して、政治の世界にとどまりました。そして、2012年の大統領選に立候補して当選し、第4代大統領となったのです。
Q3
2012年5月、フランス大統領選挙で大統領に選ばれたのは?
A.オランド
B.サルコジ
C.ルペン
A3 正解は 「A.オランド」 です。
フランス大統領は、ロシアと同じく、国民による直接選挙で選ばれます。過半数に達する候補がいない場合は、上位2名による決選投票が行われる点も同じです。任期は、以前は7年でしたが、2007年の選挙から5年になりました。
2012年の大統領選挙は、ニコラ・サルコジ大統領の任期満了に伴って行われました。現職のサルコジ氏(国民運動連合)の他、フランソワ・オランド氏(社会党)、マリーヌ・ルペン氏(国民戦線)ら10人が立候補し、4月22日に第1回投票が行われ、オランド氏が1位となりましたが、過半数に達しなかったため、2位のサルコジ氏との決選投票が5月6日に行われました。その結果、オランド氏が初当選し、大統領となりました。社会党のフランス大統領は、ミッテラン大統領以来17年ぶりのことです。
Q4
2012年11月、中国共産党の党大会で、習近平氏は何に選出された?
A.国家主席
B.総書記
C.国務院総理
A4 正解は 「B.総書記」 です。
中国の国家元首にあたる役職は、「国家主席」です。国家主席は、日本の国会にあたる「全国人民代表大会」によって選出されることになっていますが、中国の憲法では、共産党が「中国を指導する政党」と定められているため、実質的には、中国共産党の党首にあたる「総書記」が国家主席を兼任することになります。
総書記は、中国共産党の党大会(中国共産党全国代表大会)で決められています。党大会が開かれるのは5年に1回で、2012年11月に開かれた党大会で、第4代総書記の胡錦濤氏に代わって、習近平氏が第5代総書記に決まりました。国家主席が決まる全国人民代表大会は、2013年3月に行われることになっていて、そこで習近平氏が胡錦濤氏に代わって国家主席に決まる見込みです。
中国の首相(国務院総理)は、全国人民代表大会で選出されることになっていますが、実質的には、それより前に中国共産党の党大会で決められる「政治局常務委員」が務めています。2012年11月の党大会では、李克強氏が政治局常務委員に決まったため、2013年3月の全国人民代表大会で、李克強氏が温家宝氏に代わって首相に決まる見込みです。