入試が迫ってもやる気がない子どもを持つ母の悩みに、専門家がアドバイス
「小6女子の母です。受験予定ですが、入試が迫っているのにやる気が出ません。志望校を変えることにも納得せず、家庭教師も受け付けず、自分の力でやりたいといいます。どうしたらよいかわかりません」。受験を控えて気をもむ保護者からの相談に、森上教育研究所の森上展安氏が答えた。
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入試目前に子どものやる気がなくなるのは、志望校に合格することをほぼあきらめているからでしょう。志望校を自分の成績に見合ったレベルの学校に変更するなど、現状を認めることができずに苦しんでいるのではないでしょうか。
ここで重要なのは、合格をあきらめて対策を講じず、最後までがんばることもしないで不合格になってしまうこと。結果は同じ不合格でも、あともう少しで合格できたとか、合格には程遠かったが最後までがんばったなら、次回の受験では中学受験の失敗が生かせるのです。
あきらめて最後までがんばらなかった受験は、経験を生かせずに同じ失敗を繰り返すことになり、負け癖を付けるだけです。たとえ志望校に合格できなくとも、体験を生かせるように受験させるべきでしょう。
すぐにでも始めてもらいたいのは、子どもと正面から向き合い、お互いを理解するために話し合うこと。合格できないことが問題なのではなく、負け癖がついてしまうことが問題であることを話して下さい。最後までがんばれば、もし残念な結果であっても原因が納得できるはず。その体験を生かして再挑戦できるのです。最後までがんばるためには今何をすべきか、を話し合いましょう。これまで親子で努力してきたことが無駄にならないよう、また子どもの将来に悪い影響を及ぼさないようにすべきです。