計算ミスや書き写しのミスをしてしまい点数がのびない[中学受験]
平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。
質問者
小5男子(性格:大ざっぱなタイプ)のお母さま
質問
難しい問題でも解けるのですが、反対に簡単な問題でも計算ミスや、書き写しのミスをしてしまい、点数がのびません。字もあまりきれいではなく、自分で書いた数字を読みまちがえることもあります。
小泉先生のアドバイス
「数字や記号」と「筆算」の書き方をチェックする。
テストには制限時間がありますから、焦って数字をなぐり書きしてしまったり、計算ミスをしてしまったりしがちです。特に大ざっぱな性格の子どもは、解法の方向性が見えてくると一つひとつの計算がもどかしく思えてくるのか、数字も乱雑になりがちです。しかし、正しい答えを得るためには、立式とその計算を正しくする必要があります。そのためには、やはり丁寧な筆算は重要です。
まず、汚い字を直す必要がありますが、算数で使うのは0から9までの数字、A、B、C……などのアルファベット、そして記号ですからかなり限られています。しっかり書けるように練習するとしても、そんなに時間はかからないでしょう。まずはわかりやすく書けているかをチェックし、もし読み難いようなものを書いていればそれらを直していきましょう。たとえば数字の1と7を見まちがえるような書き方をしているのであれば、そのようなことがないような書き方に直すということです。なお、算数の計算はスピードも大切です。あまり美しく書くことにこだわると、大切なスピードが落ちてしまいます。「字のきれいさ」ではなく、あとで見て読みまちがえない程度の「丁寧さ」をポイントにしてください。
次は、筆算の書き方をチェックします。計算は通常、問題用紙の裏側や余白に行うと思いますが、計算を急ぐあまり数字が乱雑になったり、他の問題の計算と混ざってしまったりします。そのような使い方は下手なやり方であって、きれいでなくてもかまいませんから、わかりやすい数字や整然とした書き方を心がけましょう。また、1つの問題の計算が終わったら他の問題と混ざらないように、「ここまで!」であることを示す線をひくとよいでしょう(下図「悪い例」「良い例」参照)。ここまでやると時間がかかってもったいないように感じるかもしれませんが、そうでもありません。
筆算を雑に書く子どもの様子を見ているとわかりますが、雑に書いてあると検算の時どのように計算したかわからなくなり、もう一度計算し直している光景をよく見受けます。これに対して整然と書いた子どもは、書いた計算を使って検算ができますから、結果としてより速く正確に問題を仕上げることができるのです。「急がば回れ」といいますが、検算で使うことを考えるのであれば、筆算を整然と書いたほうが有利になるでしょう。なお、「整然と書く」といってもやはりスピードも大切ですから「あとから検算に使える程度の整然さ」で十分です。
お子さまが試験問題を解く時、「わかりやすい数字や記号を書いているか?」「筆算は整然と書いているか?」などをチェックし、もしそうでなければすぐに直してあげましょう。「試験の時にそんな時間はない!」としぶるかもしれませんが、直さなければケアレスミスはずっとつきまといますから、少しずつでも改善してください。きっと効果が出て、お子さまも納得されると思います。