2012年度中学受験社会科の問題は「東日本大震災」がキーワード

2011年3月11日に起きた「東日本大震災」は、日本人の生活に多方面で影響を及ぼした。それは、震災からおよそ1年後に行われた2012年度の中学受験の社会科の入試問題に関しても言えたことだそう。Benesse教育情報サイトでは、首都圏を中心に国・私立中学校のべ119校の2012年度社会科入試問題を徹底分析し、文教大学専任講師の早川明夫氏がその解説をしているが、同氏は当年度の全般的な出題傾向に関して次のように語る。

 

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「2011年の東日本大震災がきっかけとなって、これまでの生活を見直したり、振り返ったりするようになった、という導入で始まる桜蔭中の問題文が2012年度の全般的な出題傾向をよく表していると思います。2011年の東日本大震災を念頭におくことなしに、社会科の教師は出題内容を考えることはできなかったと思います」

 

早川氏はまた、社会科各教科の出題のウエイトについても解説。地理・歴史・公民の分野別に出題の頻度を分析すると、最近は歴史分野の出題ウエイトが高くなっているという。その理由の解説は以下の通りだ。

 

「歴史は、地理や公民に関連づけた出題がしやすいからです。その典型的な例が世界遺産です。たとえば、昨年は平泉が世界文化遺産に登録されました。平泉といえば藤原清衡が建立した中尊寺金色堂がありますが、これについて歴史的なことを問うだけではなく、平泉の場所(地理)や、世界遺産をあつかっている国際連合のユネスコ(公民)について問うこともできます」

 

社会で起きていること全体にアンテナを張っていないと、時事問題などには対応できない社会科。早川氏はその対策として、新聞を読むことなどを挙げている。

 

出典:問題の難易・形式の分析 <社会> -ベネッセ教育情報サイト

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