社会が得意になりテストに役立つ!おすすめ擬人化マンガ・歴史小説の読み方
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暗記科目と言われている社会科ですが、マンガや歴史小説を活用することで、歴史上の人物や出来事に関心を持つことができ、さらには時代の大まかな流れや出来事の原因・結果・影響についての理解が促され、結果として記憶に残りやすくなることがあります。
そこで今回は社会の学習に役立つマンガ・歴史小説の読み方についてご紹介します。
中高生が苦手な「近現代史」が必修化、おススメの作品は?
2022年度から高等学校で必修科目となる「歴史総合」では、18世紀以降の「近現代史」の世界・日本の歴史が中心に扱われます。
しかし歴史のなかでも「近現代史」は、苦手とする中学生・高校生が多く、テストや入試でも差がつきやすい分野でもあります。「近現代史」が苦手とされる背景には、教科書に登場する人物・事件が多いことに加え、世界の歴史ではさまざまな国家・政権間の国際関係が複雑であることなどが考えられます。
そんな中高生が苦手としがちな「近現代史」の学習で役に立つのが、マンガを使った学習です。なかでも近現代の国家を【擬人化】した『ヘタリア』(日丸屋秀和)というマンガ・関連図書がおすすめです。
最近では細胞、刀剣、競走馬などを【擬人化】したマンガ・ゲームなどのコンテンツが注目されていますが、『ヘタリア』はイメージしづらい国家の特徴や対立・協調関係を【擬人化】されたキャラクターを通じて理解できます。
例えば「ルクセンブルク」や「リトアニア」など、日本ではあまりなじみのない国も【擬人化】されたキャラクターとマンガを通じて、具体的なイメージを作ることができます。
またフランス革命を扱った『ベルサイユのばら』(池田理代子)など、特定の事件・人物を題材としたマンガも数多くあります。ただ特定の事件・人物を題材としたマンガは、お話としては面白いものの、教科書だとわずか数行で、テストでもそれほど問われない—ということもあります。
しかしマンガで読んだ特定の事件・人物を【起点】に、前後の出来事などを教科書・地図帳などで周辺事項まで関連付けて確認することで、より立体的な理解につながります。
そして教科書の全範囲をカバーするには、専門家の監修の入ったシリーズものの「世界の歴史」「日本の歴史」などを読んで学習するのもよいでしょう。
- 近現代史は、国家を【擬人化】したマンガを活用
- 特定の事件・人物を題材としたマンガで【起点】をつくる
- 教科書全範囲は、シリーズものの「〇〇の歴史」を読んで学習
歴史の「脚色」に留意し、複数の観点で捉え直す
歴史を題材としたマンガ・アニメが普及してきましたが、歴史を題材としたジャンルとして歴史小説が一般的です。
そして歴史小説では、宮本武蔵を扱った吉川英治、幕末・明治を扱った司馬遼太郎、イタリア・ローマを扱った塩野七生など、多くの人気作家が存在します。また人気作家の人気作品を通じた歴史上の人物への尊敬や憧れが、読者の生き方・考え方に影響を与えています。
しかし歴史を題材にした作品は、あくまでもエンターテインメントの側面があるため「脚色」されていることがあります。歴史的事実をさまざまな資料や証言を元に考証している作品もありますが、お話として成立させるため、諸説あるものの一つを採用し、ある特定の立場からの見方をすることがあります。
そして歴史的事実を述べているように見えて、実は筆者独自の解釈・歴史観が織り込まれていることもあるため、必ず教科書などでの記述と照らし合わせることが必要です。
新しい学習指導要領では、ある事象に対して考察する際、さまざまな側面(多面的)、異なるそれぞれの立場(多角的)でとらえることが強調されています。マンガ・歴史小説というエンターテインメントを入り口にしながら、「教科書ではどのように書かれているのか?」を確認することは社会科の学習としても必要ですし、異なる視点で捉え直す姿勢もこれからの社会科の学びには必要となります。
- 歴史を題材にしたものは「脚色」があることを留意
- 筆者独自の解釈でないかを、教科書を読んで確認
まとめ & 実践 TIPS
中高生が苦手としがちな「近現代史」の学習には、マンガ・アニメなどが学習の入り口として有効です。そして歴史を題材とした歴史小説も一般的ですが、エンターテインメントとしての「脚色」に留意して、教科書に立ち戻ったり、多面的・多角的に考察したりする姿勢も大切です。
株式会社プランディット 社会課 十河(そごう)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの社会(地歴公民)の教材編集を担当。
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