模擬試験の選び方・受け方(2)模擬試験、どう活用する?[高校受験]
■模試は何回受けるべき?
入試相談で模試の成績を材料にする場合、1回の結果だけでなく、2回なり3回の結果が求められるのが普通です。
中学3年生にもなると、模試を受けるたびに成績は上下するもの。1回の模試がたまたま好成績だったということもあるので、学校側は複数回の成績で判定しようとするのです。このことは、当然受験する側にも当てはまります。1回の成績では、本当に志望校に受かる力があるのかどうかは判断できません。
実力を判断するためには、9月から12月までの間に、最低3回は受けておくとよいでしょう。11月末から12月の初めに三者面談があることを考えると、それに成績表が間に合うように、3回は受けておきたいものです。
また、模擬試験の問題を作成する側としては、4回なり5回なりのテストを通して、中1から中3の全範囲をカバーするように作問します。ですので、ある一つの模試を全回受けると、中学校の全範囲の中で、お子さまが弱い単元を発見することもできます。受験料の点で差しさわりがなければ、このように9月以降のすべての模試を受けることが望ましいでしょう。
■公立高校向け模試、私立高校向け模試がある場合は?
公立高校向け、私立高校向けと分かれている場合には、併願することも考えると、両方を受けておくことをおすすめします。私立高校で、入試は3教科であっても、入試相談では5教科の成績を求められる場合もあるので、公立高校向けの模試も受けておいたほうがいいでしょう。またそれは、どの都道府県でも、公立高校向けの模試のほうが、私立高校向けの模試よりも受験者数が圧倒的に多いこともあるからです。
■学校別模試がある場合は?
大都市圏では、難関私立高校については「学校別判定テスト」が行われる場合があります。難関私立高校の入試問題はかなり特徴があるため、「学校別判定テスト」というものが実施されるのです。このような模試は、出題傾向・設問数・答案用紙のサイズ・試験時間まで、本番そのままに行うことがウリになっています。
そのような学校を受けるということは、その学校が第1志望のことが多いでしょうから、「学校別判定テスト」があるなら、ぜひ受けておきたいものです。その学校の志望者が受けるため、志望者の中での位置がわかります。
ただ、第一志望校が本命だからといって、模試は「学校別判定テスト」のみ受ける、ということは避けてください。この模試は、出題傾向・設問レベル・受験層などが特殊なため、お子さまの客観的学力を測るにはふさわしくありません。
お子さまの学力の推移、弱点を見つけるためには、やはりその都道府県で代表的な模試を受けることをおすすめします。
■受験会場を選べる場合
高校受験の模試は、模試会場として私立高校の校舎を借りて行われることがよくあります。申込書類を見て、お子さまの志望校が会場になっていたら、ぜひそこで受けたいものです。本番と同じ校舎でテストを受けたという経験は、本番での緊張をある程度和らげてくれるからです。