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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
生活・健康・安全アドバイス - 家庭での対応
児童館などに連れて行くと母親の方は見向きもせずに、ほかのお母さんの所に行ってしまいます。親子関係がうまくいっていないのでしょうか?
ひとり歩きができなかったころは人見知りもかなりひどく母親から離れられなかったのですが、1歳4ヵ月になり歩けるようになってから児童館などに連れて行って遊ばせると母親の方は見向きもせず、逆にさわると怒り、ほかのお母さんのひざに乗って長い間遊ぶ始末。私のママ友だちを追いかけていってしまったりするのです。
私が声かけしてもそばにいても知らんぷり。親子関係がうまくいっていないのでしょうか?
親子関係がうまくいっていないのではということではありません。お子さんの発達に問題がなければ、少しかかわり方を工夫してみましょう。おうちのかたの存在が大きくなれば、お子さんにとっておうちのかたはいつも「安全基地」になります。
歩行が可能になると子どもの世界は広がり、興味の赴くままに動きます。
外出すると大人の手を振りきってひとりで歩きたがることもあります。お友だちがいれば、その子が遊んでいるものに引かれてそばに寄って行きます。
自由に移動ができることは子どもにとってとても大きなことで、何でも自分で体験しようという気持ち、積極的な姿勢が育ってきているのです。でも、まだひとりで何かができるわけではありません。不安になるとおうちのかたのそばに来て気持ちを静め、安心するとまた外の好奇心に向かって飛び出していきます。
おうちのかたと子どものきずなは赤ちゃん時代から子どもが泣けばそばに寄り、目があったら笑いかけ、声を出したら応じてあげるという繰り返しの中で育ってくるのです。
発達が遅いとは思われないのに知らない場所でもおうちのかたから離れて平気でいる、おうちのかたに訴えてくることが少ない、名前を呼んでも知らんぷりという子どもはよくいます。おうちのかたからの働きかけのしかたを少し工夫するだけで、お子さんの様子も変わってくることが多いといえます。
ご相談のお子さんの場合、外ではほかのお母さんを追いかけたり、ひざに乗って遊んでいるようですが、おうちでのお母さんとの様子はどうでしょうか?
自分の要求があるときだけそばに寄ってくるのではなく、お母さんに甘えたり、共感を求めるようなことがありますか?
お母さんに対して「ママ」と呼びかける、お母さんの動作のまねをしたり、お母さんが言うことが理解できるかどうかも大切なチェックポイントです。おうちのかたからお子さんへたくさん働きかけをしていらっしゃると思いますが、特に発達の問題がなければ、少しかかわり方の工夫をしてみましょう。
例えば言葉かけにしてもおうちのかたが表情をつけながら、きちんとお子さんの目を見て話しかけることを心がけ、お子さんにおうちのかたの存在を意識させることが大切です。お子さんが好きなことに十分に付き合ってあげること、じょうずにできたときは抱き締めて「じょうずね」とほめてあげることも忘れずにしてあげましょう。
おうちのかたのひざに座らせて一緒に絵本を見たり、手遊びなどおうちのかたとお子さんが向き合える遊びを取り入れてみるのもいいでしょう。
おうちのかたから積極的にかかわりをとってもあまり状況が変わらない場合や発達の心配があるときは一度専門医にご相談ください。