2010年度入試で何が問われたか<算数>

首都圏10校の入試問題を1問1問、難易度、要求される能力、目新しさの3つの軸から分析。その中から、「合否を分けた問題」、「合否に影響のなかった問題」、「低学年でもじっくり挑戦させたい問題」はどの問題だったのかについて、宮本算数教室の宮本哲也先生が解説します。
(以下は、2010年4月に開催された森上教育研究所主催「わが子が伸びる親の『技』研究会」セミナーでの先生の講演を抄録したものです)


■模擬試験と実際の入試の違い

最初に、模擬試験と実際の入試の違いについて説明します。
塾などで行われる模擬試験は、さまざまな学校を念頭に置いて作成されますので、いろいろな種類の問題がまんべんなく盛り込まれている「多量速解型」です。一方、実際の入試はその学校についての適性試験ともいえるものですから、その学校からのメッセージが込められており、「少量熟考型」の学校も多数あります。以上のことを踏まえたうえで、志望校に受かるための取り組みをしてください。
算数については、試行錯誤しながら楽しめることが大事ですので、すぐに答えを出すことにこだわる必要はありません。わからない問題についてはしばらくおいておき、また日を改めて挑戦してみましょう。わからないのに、わかったことにしてはいけません。

次のページからは、具体的に各学校の問題を分析します。


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