志望校・塾のホームページへの要望[中学受験]

最近は、インターネットで志望校の学校情報や合格するための受験情報を収集するのが、当たり前になっている。そこで、学校や塾のホームページにどのような情報が要望されているか、アンケートで調査してみた。塾のホームページに比べ、学校のホームページに対する要望は、件数も少なく、教育方針や校風に関する強い要望がないのは意外だった。
記述回答を見ると「入試当日の各学校の様子が知りたい。願書提出の日、何時頃に行けば受験番号が何番くらいだったかもわかると便利」「大学受験合格実績に対し、中学校入学者と高校入学者の内訳を明示してほしい。(つまり)中学校入学者を6年間教育し、どういう大学に進学させているかが知りたい」「中高一貫校を卒業した人の職業を示してほしい」というものであった。

受験生・保護者にとって志望校のホームページで収集できない学校情報がたくさんあり、その分、塾のホームページへの期待が高いことがわかる。欲しい情報の内容トップ3は、(1)(志望校の)在校生・保護者による学校情報(36%)、(2)受験関連情報(28%)、(3)塾による学校情報(21%)であった。具体的には、以下のような記述回答が見られた。
(1)在校生・保護者による学校情報:「各学校に入学してからの生活が具体的にわかるような情報があるとよいと思います」「受験する学校の教育内容を詳しく知りたいです(授業内容や日々の生活、良い点、悪い点)」「在校生、または、保護者の体験談や意見」
(2)受験関連情報:「2/1~2/3の受験校の(組み合わせ)案。これがわかると自分と同じ第1志望の子が他にどんな学校を受けるかわかり、大変参考になる」「受験生と保護者のメンタルなフォローについて」「受験経験者がナビゲート(昨年の今頃どういうことをしていたのかなど)してくれるような情報」
(3)塾による学校情報(複数の学校の比較一覧など情報の整理を要望する保護者が多い):「各学校の校長先生の考え方を一覧にしてほしい」「(同ランクごとや入試日ごとの)中学校の行事日程一覧」「学校について、そのサイトを見るだけで、(学校を)比較したり、調べられたりするとありがたいです。宗教教育の有無・制服・駅からの時間・小学校(付属)の有無・部活の充実度・進学先など……」という要望があった。

志望校のホームページに対する要望の件数が少ないのは、欲しい情報が得られないと受験生・保護者があきらめているからではないか? 学校がその気になれば、在校生の保護者の生の声を基に「アンケートの集計や記述での発信」を行うことは十分可能だ。もしも、そのような「在校生・保護者から収集した学校生活の生の情報」を志望校のホームページで見ることができれば、受験生・保護者から注目されることは間違いない。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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