我が子をやる気にさせる方法 その4[中学受験]
難易度が高い学校の在籍者の保護者は、どのような「やる気にさせる方法」を行ったか? 「我が子をやる気にさせる方法」を「回答数」と「%」で学校難易度別に集計した。
【表1 学校難易度別 我が子をやる気にさせる方法(回答数)】
【表2 学校難易度別 我が子をやる気にさせる方法(%)】
学校難易度(四谷大塚80%偏差値) A:65以上、B:64~60 C:59~55 D:54~50 E:49~45 F:44~
一般論としては、「我が子をやる気にさせる方法」は子どもによって異なるはずなので、難易度が高い学校の生徒の保護者にとって効果があった方法も多様なはずだ。しかし、多少の傾向はあると思うし、志望校の難易度で効果のありそうな方法を情報として持っておく意義はある。
どのような方法で我が子がやる気になるかは、結果が出るまでわからないので、途中で迷いも出るだろう。そのような時には、こうした情報を頼りにするのもよい。
<表1>を見ると、学校難易度別に「我が子をやる気にさせる方法」の実施傾向がわかる。また<表2>を見ると、学校難易度別に効果がある方法がわかる。
たとえば、難易度A校に在籍している保護者に効果があった方法は、「親の言動で子どもが自律的になる」の回答数が多いことからわかる。次に多いのは「親が励ます」「友人や先生からほめられたり励まされたりする」で、これらの方法も効果が高いことがわかる。しかし、「親がほめる」という回答は少なく、効果は低いようだ。
難易度B校に在籍している保護者に効果があった方法は、「親がほめる」が多いことからわかる。難易度A校では効果が低い方法が難易度B校では効果が高い。次に多いのは「親が励ます」で、効果が期待できる方法だ。しかし、「親の言動で子どもが自律的になる」という回答は少なく(0%)、効果が低い方法ということになる。
子どもをやる気にさせる方法は、どのように演出するかという親のスキルによっても効果が異なる。
たとえば、うまくほめることは難しい。子どもの性格によっては「おだて」とわかってもやる気になる場合もあるので一概には言えないが、ほめたつもりでも、子どもに「おだてられた」と思われたら効果は半減する。
また、「励ます」が、「慰める」に終始して「励ます」に移行できないことも多い。「慰める」を必要とする場合もあるが、「慰める」だけでは子どもをやる気にさせることは難しい。
「親の言動で子どもが自律的になる」は、親の言動で子どもがやる気になるような環境を作り、子どもが自律的にやる気になるのを待つわけだが、子どもを見守るという演出は、塾などの教師と違い親は子どもとの距離が近いだけになかなか難しい。
また、子どもの性格や家庭環境によっても、子どもが反応する「我が子をやる気にさせる方法」は異なる。統計的に効果の高そうな方法を試しながら、我が子がやる気になる方法を追求するのも一つの方法。
たとえば、子どもがやる気になるのは、ほめられる時か? それとも励まされる時か? 統計的には、励まされるとやる気になることが多いようだが、我が子はどうか? ほめられるとやる気になる場合も多いと思う。