平日はしっかり、土日はゆっくり。自分のペースを守って合格をつかむ!
神奈川県立相模原中等教育学校は、相模大野高等学校を設置母体として2009年に開校した学校です。神奈川県初の公立中高一貫校として注目を集めた同校の志願倍率は16倍を超えました。
そんな狭き門をくぐり抜けた小堀蓮太さんとご両親に、勉強や日常生活、受検対策など合格までの道のりと、中学校生活について伺いました。(2009年7月30日更新)
profile 小堀蓮太(こぼり・れんた)さん、お父さま・政彦さん、お母さま・祥子さん、弟さん・環生(たまき)くん2009年4月、神奈川県立相模原中等教育学校に入学。いろいろなことにチャレンジするのが大好きという、好奇心旺盛な男の子。小学生のときはサッカースクールに通ったり、6年生では駅伝大会にも出場したそう。友達の中ではリーダーシップをとるタイプですが、ご自宅では物静かで、本を読むことや弟さんと遊ぶことが好き。中学校では陸上部に所属しています。 |
受検のきっかけは「好奇心」
相模原中等教育学校の受検を決めた経緯を教えてください。
蓮太さん
5年生の7月に担任の先生から相模原中等教育学校が新設されるという話を聞いて、おもしろそうだな、受検してみたいなと思いました。興味がわいたことはなんでもやってみたくなる性格なんです。家に帰ってすぐ両親に相談し、家族で話し合ってその日のうちに受検を決めました。
お母さま
受検したいという話を聞いて驚きましたが、担任の先生は熱心ないい先生だったので本人が行きたいと言うなら公立中高一貫校に進むという道もあるのかな思いました。受検を決めてから情報を集めるために学校説明会に参加しました。模擬授業を見学して個性的なカリキュラムがあると知り、好奇心が旺盛な蓮太に合う学校だと感じました。また、学校が家から近かったので、通学も楽でいいと思いました。
お父さま
蓮太から話を聞くまでは中学受検は考えていませんでした。教育方針としては、小学生のうちは外で遊んだり友達とコミュニケーションをとったりして、のびのびと数多くの経験をさせたいと思っていたんです。ですからあまりガツガツと勉強させたくはありませんでした。しかし、公立中高一貫校の適性検査は私立中学の受験とは違い、知識だけではなくさまざまな経験や応用力が必要だということと、塾に通わせることなく、学校の勉強と進研ゼミなどの自宅学習で受検対策ができると思ったことが、受検を決めるポイントになりました。私はテスト問題を解くというのは、その問題を作った人に答えや自分の考えを伝えることだと思っていて、子どもにも「試験の先には採点する人がいるのだから、その人に伝えるように解きなさい」と言っていました。公立中高一貫校の適性検査はその考え方で取り組む問題が多いと感じました。
平日と土日でメリハリをつけて約束した課題に取り組む
受検を決めてから、どんな対策をしましたか?
お父さま
「自分で受検したいと言ったからには、必要最低限の努力はしなさい」と言い、進研ゼミ、市販の問題集、新聞を読むなどいくつか提案し、それを必ずやると約束させました。問題集は大きな書店に行っていろいろな問題集を見比べ、「これは役に立ちそう」とか「これなら蓮太に合いそう」というのを私が選びました。進研ゼミは「チャレンジ」のほか、6年生になってから公立中高一貫校受検対策用のコースを始めました。勉強時間や勉強のやり方について普段はほとんど口出しせずに、本人のやりたいようにやらせていました。約束したことをちゃんとやっているかだけ、たまにチェックしていました。やってないところがあったら突っ込みましたよ。
蓮太さん
受検を決めてから、父と「これだけは必ずやる」と約束した教材などをコツコツと自分のペースでやりました。毎日やっていたのは「チャレンジ」、読書、新聞を読むことです。受検対策用の教材は週1回、平日にやりました。週3回サッカースクールに通っていたんですが、練習のあとの勉強は眠くなってしまって大変でした。でも、自分で受検したいと言ったので眠りそうになりつつもがんばれたと思います。「朝日新聞の『天声人語』を毎日読んで、タイトルをつける」という課題は難しくてつい手つかずにしてしまい、父に指摘されてまとめてやったりもしました。生活にメリハリをつけたかったので、平日はしっかり勉強して、土日は弟と外で遊んだり家でゲームをしたりしてなるべくゆっくり過ごしました。
お母さま
受検対策といっても、自分たちが1期生となる新設校なので、どう対策したらいいという情報は少なかったですね。学校説明会は受検までに3回あったので、そのすべてに参加しました。適性検査については「こんな傾向の問題が出題されます」など、ちょっとした情報が得られたのでよかったです。作文は学校説明会で例として言われたテーマがそのまま本番でも出ました。2回目の説明会は蓮太と2人で行ったのですが、本人にとってかなり刺激になったようです。説明会には全部参加してよかったと思っています。
作文対策でノートに書いた「中学に入ったらやりたいこと」。夢を見事に実現させました。