【回答:ミスター・ツカム】家庭学習・家庭内コミュニケーション<その3>
「中学受験は親子の受験」とも言われ、保護者のかたの役割はとても大きいもの。受験準備が進むにつれて、心配事や気がかりもいろいろ出てくるでしょう。よくある相談事例について、専門家の先生がたや、合格家庭の先輩保護者のアドバイスを集めました。
志望校受験に失敗した場合はどうすればよいでしょう?
志望校選択に制服の好みは重要ですか?
第一志望校の過去問が6割もとれず焦っています。
志望校受験に失敗した場合はどうすればよいでしょう?
Q | 受験準備を始めた時期が遅かったこともあり、模試の判定では志望校の合格圏内に入ったことがありません。第2志望、第3志望まで考えていますが、志望校受験にことごとく失敗した場合、地元の公立中学へ進むことを子どもと決めています。 しかし実際のところそのような結果になったら子どもが納得するか心配です。やはりレベルを下げても合格圏内の学校も受験したほうがよいのでしょうか。 |
A | そのような結果になったら子どもが納得するか心配です」。…ここが最大のキーポイントですね。この点をご両親とお子さまで、もう一度確認する必要があります。 「何のために中学受験をするのか?」ということを話し合って、もう一度確認してください。どうしても行きたい中学があるのか? 公立中学にどうしても行きたくないのか? どうしても地元の公立中学に入りたくない。絶対に行きたくない。…という動機で入試をされるなら、レベルを下げてでも、合格したほうがよいでしょうね。 「ここの中学にあこがれていて、ここに入りたい」というなら、チャレンジするべきです。 もし、万が一不合格になっても、それはしかたがない。第2、第3志望の合格した中学に入る…ということになりますね。 併願については、現状の成績と志望校のレベルとの兼ね合いですから、戦略としてプロである塾の担任の先生と相談されるのがよいと思います。 でも、最終的にはご家族が決断することです。お子さまの意思を尊重しつつも、ご両親が的確な判断をして、お子さまの進路をプロデュースしてあげてくださいね。 |
志望校選択に制服の好みは重要ですか?
Q | 校風や通学距離から娘にぴったりだと思う学校があるのですが、娘はその学校の制服が好きではないといって志望校にするのをいやがります。 親としては「たかが制服」と思い「似合うよ」「かわいいよ」と説得しようとするのですが、お互いに譲らず、そのたびに言い争いになります。娘の意思を尊重すべきなのでしょうか。 |
A | 女のお子さまに多いですね。制服で就職先の企業を選ぶ学生もいることですからね。 まず、ご両親のほうが判断基準が多いので、その志望校がお子さまにとってふさわしいと思われます。 例えば、車を買うときを考えてみてください。車に詳しい人なら、メーカーや燃費、機能性、デザインなどを考慮して決めますよね。でも車に詳しくない人は見た目だけで決めてしまうかもしれません。これと同じ状況ですね。 「こっちの学校の制服もカワイイよ」と説得すればするほど反発します。だから、行ってほしい学校の良い点、なぜお子さまにぴったりなのか、そこの中学生活はこうなってきっと楽しいよ…など、イメージできる情報を少しずつ話してあげてください。 お子さまの感性も変わってくるかもしれません。願書を出す段階でまだ意見が違うなら、両方の学校のメリット・デメリットを話し合って、お子さまに決断させるのもひとつの考えですね。 |
第一志望校の過去問が6割もとれず焦っています。
Q | 第一志望校の過去問をやっていますが、ほとんど6割もとれません。志望校を高望みしすぎているのでしょうか? 親としてはこのままでよいか焦りを感じます。過去問で点数がとれていない学校を第一志望にして大丈夫でしょうか? |
A | 整理して考えることが2点あります。 まず、過去問がほとんど6割とれない…ということですが、この文章からでは3割程度なのか? 5割なのか? それが全教科なのか? 1つの教科が極端に足を引っ張っているのかわかりません。それをもう一度分析してみてください。 あとどれくらいレベルアップする必要があるのか明確にして、残された日数でそれがクリアできそうであれば、第一志望に挑戦してもいいと思います。 志望校が高望みなのか、そうでないのかは、ご自身で判断せずに経験豊富な人(塾の先生など)が模試の成績などを見れば判断できます。 それからもうひとつ。第一志望にするのか…? ということです。これはご家庭の戦略的なことや受験・人生への考え方が大きくかかわってきます。 昔からここを目標にしてきたんだから、初志貫徹して受験する。そのかわり第二志望は必ず合格できるラインにしておく…とか。最後の最後まで努力して、もし不合格でも悔いを残さない…とか。100人いれば100通りの受験のやり方がありますよね。 わが子はどのように成長していってほしいのか? ということを軸に、もう一度志望校を見直されるのもひとつの考え方ですよ。 |