受験生は、志望校の文化祭に参加すべきか?[中学受験]

※百分比(%)は小数点第1位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある。

どのように受験生は、志望校を決定するのか? ネームバリューや塾の先生、友人、親や親類など周囲の人からの評判で決めることもあるかと思う。しかし、大事なことだから、人からの話よりも、自分の目で見て決定してもらいたい。学校は学校全体・在校生・教師を見なければわからない。学校を理解するには、まさに「百聞は一見にしかず」である。

受験生本人が主体となって参加する学校イベントと参加率を、アンケートで調査した。参加率(%)の低い学校イベントには、学校説明会(21%)、個別訪問(29%)、合同説明会(17%)がある。参加率の高い学校イベントには、文化祭(64%)、オープンスクール(59%)がある。
文化祭やオープンスクールでは、受験生本人が、直接、学校・在校生・教師を見ることで、自分で良し悪しを感じることができる。それに対し、学校説明会・個別訪問・合同説明会では、学校の先生からの話は保護者に対するもので、受験生本人にはわかりにくいかもしれない。
文化祭は受験生本人が主体となる参加率がオープンスクールよりも高いが、そればかりでない。オープンスクールは実施されていない学校も多いが、文化祭はほとんどの学校で実施されているため、見て歩けば学校を比較検討することができるのである。

【図1:受験生本人が志望校の文化祭に参加・不参加の場合の、本意・不本意入学率】
図1:受験生本人が志望校の文化祭に参加・不参加の場合の、本意・不本意入学率

在校生アンケートから、志望校(=在籍校)文化祭の参加と本意・不本意入学の関係を上記の表・グラフにまとめた。受験生が100人いたとすれば、約3分の2の68人が志望校の文化祭に参加し、約3分の1の32人が参加しなかったことになる。
本意入学の「1.ぜひこの学校に入学したかった」を見ると、受験生本人が志望校の文化祭に「参加」が40人、「不参加」が3人で明らかに参加のほうが多い。確率で考えると、志望校の文化祭に「参加」すると本意入学になる確率は約59%(40人÷68人)になり、「不参加」の場合は約9%(3人÷32人)となる。「参加」の場合は本意入学になる可能性が高い。
また、同様に不本意入学の「2.もっと入学したい学校がほかにあった」と「3.この学校に入学するつもりではなかった」を足すと「参加」が28人、「不参加」が27人で、ほぼ同じになる。しかし、不本意合格になる確率で考えると「参加」の場合は約41%(28人÷68人)になり、「不参加」の場合は約84%(27人÷32人)となる。「不参加」の場合は不本意入学になる可能性が高い。

もちろん、「2」と「3」の生徒は在籍校が併願校だったのではないかと考えることもできる。その場合、「2」と「3」の合計55%は、難関・上位ランクの倍率を考えると少なすぎ、「1」にも併願校に進学した生徒がいると考えられる。受験生本人が併願校の文化祭に参加し、併願校でありながら「1.ぜひこの学校に入学したかった」という本意入学になった可能性はおおいにある。また「2」と「3」を足すとほぼ同数(参加28%、不参加27%)になることから、受験生の約半分は不本意入学の可能性も考えて、併願校の文化祭にも参加していることになる。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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