効果的な漢字の学習方法が知りたい[中学受験]
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平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。


質問者
小4女子のお母様質問
漢字が苦手です。担任の先生が漢字の学習に熱心なかたで漢字テストを定期的にして間違った漢字を何度も書き直させているのですが、頭に入らないようです。効果的な漢字の学習方法が知りたいです。小泉先生のアドバイス
1)くり返し学習する 2)五感を使って学習する 3)関連付けて学習する
漢字に限らず、何かを覚える時には(1)くり返し学習する、(2)五感を使って学習する、(3)関連付けて学習することがポイントです。
まず「くり返し学習する」とは、毎日、20分程度、それこそ歯みがきと同じ感覚で(つまりやらないと何か気持ちが悪い!)漢字の練習をすることです。新しい字や書けなかった漢字は、何回か書いて覚えさせます。ただし、同じ字をくり返し書きすぎると、その字が≪変に見えてくる≫という現象※1があるので、せいぜい10回程度が良いと思います。
次は、「五感を使って学習する」ですが、知らない漢字を「目で見て」「手で書いて」「口で発音して」「耳で聞いて」、そして「意味を考える」など、からだ全体を使って勉強することです。
ところが、これを嫌がる子どもが非常に増えてきているように思われます。漢字の場合は、さすがに「目で見て」だけで済ませることはないでしょうが、それでも機械的に書くだけで漢字の「意味を考える」ことをしようとしません。おそらくからだ全体を使うことが面倒なのだと思います。考えてみれば、今の子どもたちは、「受動的に見る」ことに比重が置かれすぎているようです。そのためか、自ら五感を使って、覚えたり、考えたりすることが苦手になっているように感じます。
たとえば、算数の図形問題の前で立ち往生している生徒の多くは、問題をぼうぜんと見ているだけです。本来であれば手を使って、わかっている条件を図形に書き込み、その図を見ながら考えることが必要です。しかし手を使わないために、考えは前に少しも進まず、解法の糸口を見つけることもできません。国語の場合でも同じです。問題文を読みながら、大切な部分に線を引き、あるいはメモなどを書き込みながら読みすすめていきます。難しい文章を読む時には、このように手を使いながら読むことが特に必要になってきます。もしお子さまが見て考えるだけであれば、ぜひ手を使いながら考えるクセをつけてあげてください。中学受験においても、「手を使う」ことは非常に大切なのです。
最後に「関連付けて学習する」ですが、覚えるものに何らかの意味付けをすることで、覚えやすくしたり忘れにくくしたりすることができます。たとえば漢字であれば、「へん・つくり・かんむり」などの部首を意識する※2ということです。
また漢字の問題集では、どうしても「1対1対応」の暗記になりがちですから、覚えてもすぐ忘れがちになります。この時に文章の中に覚えたての漢字が出てくると、知識が関連付けられて、初めてしっかりと漢字を覚えられたり、意味がつかめたりする場合があります。熟語や慣用句などの時は、特にこの傾向が強いと思います。ですから、言葉を問題集などで覚えるだけではなく、文章の中でも並行して覚えることが大切です。
以上、効果的な漢字の学習方法をお話ししてきましたが、これらのことを「楽しくやる」工夫も必要です。授業などクラスでやる場合は、競争心理を取り入れることで、漢字の勉強が一つのゲームになります。たとえば、覚えた漢字の量で競争するとか、テストの得点率で競争するのも楽しいでしょう。
なんといっても、子どもは競争が大好きです。お子さまが一人で勉強する場合でも、進度表などを作って、目に見える形で達成度を実感させると意欲的に取り組めるかもしれません。漢字の勉強は、努力すればそれだけ点数を伸ばせる学習です。学習習慣をしっかりと身に付けるためのきっかけとしても、漢字の勉強は非常に有効だと思います。
漢字に限らず、何かを覚える時には(1)くり返し学習する、(2)五感を使って学習する、(3)関連付けて学習することがポイントです。
まず「くり返し学習する」とは、毎日、20分程度、それこそ歯みがきと同じ感覚で(つまりやらないと何か気持ちが悪い!)漢字の練習をすることです。新しい字や書けなかった漢字は、何回か書いて覚えさせます。ただし、同じ字をくり返し書きすぎると、その字が≪変に見えてくる≫という現象※1があるので、せいぜい10回程度が良いと思います。
※1:心理学の「ゲシュタルト崩壊」と呼ばれる現象。
次は、「五感を使って学習する」ですが、知らない漢字を「目で見て」「手で書いて」「口で発音して」「耳で聞いて」、そして「意味を考える」など、からだ全体を使って勉強することです。
ところが、これを嫌がる子どもが非常に増えてきているように思われます。漢字の場合は、さすがに「目で見て」だけで済ませることはないでしょうが、それでも機械的に書くだけで漢字の「意味を考える」ことをしようとしません。おそらくからだ全体を使うことが面倒なのだと思います。考えてみれば、今の子どもたちは、「受動的に見る」ことに比重が置かれすぎているようです。そのためか、自ら五感を使って、覚えたり、考えたりすることが苦手になっているように感じます。
たとえば、算数の図形問題の前で立ち往生している生徒の多くは、問題をぼうぜんと見ているだけです。本来であれば手を使って、わかっている条件を図形に書き込み、その図を見ながら考えることが必要です。しかし手を使わないために、考えは前に少しも進まず、解法の糸口を見つけることもできません。国語の場合でも同じです。問題文を読みながら、大切な部分に線を引き、あるいはメモなどを書き込みながら読みすすめていきます。難しい文章を読む時には、このように手を使いながら読むことが特に必要になってきます。もしお子さまが見て考えるだけであれば、ぜひ手を使いながら考えるクセをつけてあげてください。中学受験においても、「手を使う」ことは非常に大切なのです。
最後に「関連付けて学習する」ですが、覚えるものに何らかの意味付けをすることで、覚えやすくしたり忘れにくくしたりすることができます。たとえば漢字であれば、「へん・つくり・かんむり」などの部首を意識する※2ということです。
※2:「池」という漢字なら、「さんずい」から水に関連した言葉であることを意識する。
また漢字の問題集では、どうしても「1対1対応」の暗記になりがちですから、覚えてもすぐ忘れがちになります。この時に文章の中に覚えたての漢字が出てくると、知識が関連付けられて、初めてしっかりと漢字を覚えられたり、意味がつかめたりする場合があります。熟語や慣用句などの時は、特にこの傾向が強いと思います。ですから、言葉を問題集などで覚えるだけではなく、文章の中でも並行して覚えることが大切です。
以上、効果的な漢字の学習方法をお話ししてきましたが、これらのことを「楽しくやる」工夫も必要です。授業などクラスでやる場合は、競争心理を取り入れることで、漢字の勉強が一つのゲームになります。たとえば、覚えた漢字の量で競争するとか、テストの得点率で競争するのも楽しいでしょう。
なんといっても、子どもは競争が大好きです。お子さまが一人で勉強する場合でも、進度表などを作って、目に見える形で達成度を実感させると意欲的に取り組めるかもしれません。漢字の勉強は、努力すればそれだけ点数を伸ばせる学習です。学習習慣をしっかりと身に付けるためのきっかけとしても、漢字の勉強は非常に有効だと思います。
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