国語は、読解問題を客観的に読むことができません。算数は、単位の置き換え問題が苦手です[中学受験]

平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。


質問者
小5男子のお母様

質問
国語は、読解問題を客観的に読むことができません。本文中に「仲間はずれにされそうだったので言えなかった。」という一文があるにもかかわらず、設問で「どうして言えなかったのですか」との問いに対し、答えを4択の中から正確に選び出すことができません。自分の主観が入ってしまうのだと思います。算数は単位の置き換え問題が苦手です。試験の前は集中して練習問題をさせますが、本番でうっかりミスをしてしまいます。まだ訓練が足りないのでしょうか? 先日のテストでは、「430mlは何dlですか?」という問題を間違えました。四谷大塚の模試で偏差値55前後です。

小泉先生のアドバイス
大切なのは「具体的に考える」こと

1リットル(l)は1000ミリリットル(ml)であり、1リットル(l)は10デシリットル(dl)ですから、1デシリットルは100ミリリットルということになります。リットルやミリリットルは日常的に使いますが、デシリットルはほとんど使う機会がありません。ですからミリリットルをデシリットルに換算する場合は、100分の1にすれば良いなどと暗記することになります。しかし試験中うっかりして、10分の1や1000分の1にして間違えてしまいがちです。こういったミスを少なくするには、やはり何回も問題演習を行うことにより、「100分の1」にすれば良いことを知識として定着させることです。

このように算数の成績は問題演習量に比例しますが、もう一つ大切なのは「具体的に考える」ことです。つまり1リットルや1000ミリリットルというのは、実際にどのくらいの量なのかをつかんでおくことです。たとえば、店で売られている大きな牛乳パックは1リットル(つまり1000ミリリットル)です。そしてそのことを知っていれば、1リットルの大きさを具体的に考えることができます。もちろん牛乳パックと言っても、いろいろの種類がありますから、実際に手に取って表示量を確認すると良いでしょう。こういった具体的な経験は基礎学力であり、算数の入試問題を解くうえでも大変重要であると考えます。
もちろん具体的に考えにくいものもあります。たとえばデシリットルは既に述べたように、日常的にはあまり使いませんから、「1リットルの10分の1」という「基本」を暗記するしかないでしょう。しかし「1リットル(つまり1000ミリリットル)は牛乳パック1本」と「具体的に考える」ことで、暗記すべきことを最小限にすることができます。そして、「ミリリットルをデシリットルに換算する場合は、100分の1? それとも10分の1?」などと記憶があいまいになったら、すぐに具体例や基本に戻れるようにしておけば、ケアレスミスを大幅に改善することは可能だと思います。

ところで、「具体的に考える」ことは国語の場合でも重要です。つまり、正しい選択肢を選ぶ場合、イメージではなく、本文のどこが根拠になるかを「具体的」に確認するということです。物語文など問題文が長い場合は、根拠となる場所を探すのに手間取ることもあるでしょう。しかし、集中して読むことで、問題文のだいたいどのあたりに書いてあったかを覚えていられるようになると思います。

さて、お子さまのケースも「具体的に考える」ことによりミスを少なくできると考えます。性格的に「おっちょこちょい」であり「せっかち」ということですが、それとともに「手間を惜しんでいる」ようにも思えます。つまり、国語の問題文を読んで選択肢を選ぶ時、「こんな感じだったなぁ」とイメージで間違った選択肢を選んでしまうのです。また算数の場合でも、あいまいな記憶を確かめることなく使うことで、つい基本的な単位の換算を間違えてしまうと思われます。ですから「本当にそうだったかな?」と不安になったら、ひと手間かけてこのように「具体的に考える」ことで、ケアレスミスはぐっと少なくなるはずです。

最後に、「読解問題を客観的に読めない」という点について。問題文を読んで、自分で物語を≪創って≫しまったり、文章の内容を勝手に理解したりする生徒は少なくありません。そのような生徒を指導する時には、「妄想している!」とか「根拠はどこ?」とその度ごとに追及することが大切です。そうすることで、「自分は勝手に読んでしまうクセがある」「根拠を考えながら読まなければならない」と自覚し、徐々に正しく読めるようになります。ここでもやはり大切なことは、根拠や文の内容が矛盾していないかを「具体的に考える」ことなのです。

プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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