私立中学志望動向を考える その1[中学受験]

私どもで受験生の保護者と、学校の広報担当者の両方に同じ質問をぶつけるアンケートをとってみた。学校は首都圏270校余りに依頼したうち、約4割の116校から回答をいただいた。保護者のほうは私どものやっている保護者向けセミナーや、中学受験塾にご協力していただいて466のご回答を得た。

それなりの厚みのある数になった、と思われるので以下のような分析をしてみた。
即ち、どのような学校タイプを受験生側が望んでいて、これに対して私立中学校側は自らの学校タイプをどのように分析しているか、各々のタイプを分けてみたのである。

このうち、最も望まれている校風は、自主性重視の学校で、かつ精神面(モチベーションなど)を高めてくれる学校ということになったのだが、学校側でこの分類に当たる学校がことのほか少ないのである。

具体的に学校名を挙げてみると、男子校では栄光学園中学校(神奈川県)、攻玉社中学校(東京都)、本郷中学校(同)、高輪中学校(同)、女子校では玉川聖学院中等部(東京都)、東京家政学院中等部(神奈川県)、東京家政大学附属女子中学校(同)、共学校では青山学院中等部(東京都)、神奈川大附属中学校(神奈川県)、関東学院中学校(同)、啓明学園中学校(東京都)、帝京中学校(同)、森村学園中等部(神奈川県)などの名が挙がる。

実に回答者の45%もの保護者が自主性・精神面重視型の学校を望んでいるのに対して、自らをそのタイプだと考えている学校の数は116校中の13校で実に11%にすぎない。その13校が自己申告どおりの学校か否かは少し議論の余地はあろうが、少なくとも学校はそうあろうとしている、といってもよいだろう。
確かに保護者は、子どもの自主性を重んじ、自ら学習に取り組んでもらいたいと思いまた、学校には子どもの精神面を重視してモチベーションを高めてもらいたい、と思っているに違いない。これに対して学校の方が尻ごみしているようなのが面白い。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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