弱点補強と志望校対策[中学受験]

志望校の算数の過去問を演習していて、わからなかった問題の見直しをしようとするのだが、なかなか理解できない場合がある。こんなときは該当の単元自体の理解ができていない可能性が強いので、その単元の基礎・基本を再度復習して弱点を補強する必要がある。もちろん新しい問題集や参考書をやる必要はなく、今まで学習してきたものを再度繰り返せば良い。もし基礎問題をやってみてすらすら解けなければ、もう一度解説を読めば良い。またある程度解けるようであれば、基本問題や標準問題を解いてみることである。必ずどこかに自分の弱点を見つけ、あるいはすでに習っているはずなのに「新しい発見」をするであろう。ところで問題を解く場合、必ずしも全問を解く必要はない。例えば基本問題が12問あったとすれば、とりあえずは奇数番号だけとか偶数番号だけを解いてみるのである。12問の前半、後半というわけ方だと、難度や出題パターンに偏りが出る恐れがあるから注意すること。12問の半分を解いてみて自力で解けるようであれば次の標準問題に進むし、ちょっと厳しければ残りの半分を解いてみるのである。最初から全問を解かないことで時間の短縮をはかり、学習の効率を上げるのである。

また今まで学習してきた様々な道具(公式・定理・図など)を一つ一つ取り出し、自分なりに磨きをかけて実戦で使えるようにするのもこの時期である。例えばダイヤグラムや面積図などは、今までさんざん授業で勉強してきたであろうが、これらを自由自在に使って問題を解くことはなかなか難しい。しかしダイヤグラムでなければ解きにくい問題が過去問に何回も出てくるようであれば、弱点補強や志望校対策としてダイヤグラムをマスターしなければならない。不思議なもので、基礎・基本からもう一度きちんと復習していくと案外簡単に習得できるものだ。なんとなく教えてもらうのではなく、本当に自分が必要になればマスターできるということであろう。

志望校に頻出する苦手単元を克服していくのもこの時期である。例えば「規則性」「数の性質」「場合の数」はどの生徒にとっても初めはあまり得意にはなれない単元だが、志望校の過去問に何回も出題され、それが理解できなくて基礎・基本にもどって学習していくことで徐々に理解を深めることができる。

このように今から入試までの数ヵ月は、志望校の出題傾向をにらみながら、自分の弱点を補強するといった作業に没頭することになるが、それは同時に今までに習った算数の集大成を行っているのである。

プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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