高校入試と内申点【高校受験の基礎知識】

1.公立高校の入試は特殊?
高校入試が中学校や大学の入試に比べて特徴的なのは、中学生のほぼ7割が進学する公立高校の入学者選抜のなかで、最も多くの受験生が集まる学力検査による選抜(一般入試、後期選抜などの呼び名がある)や前期選抜などで、中学校における内申書の記載内容を点数化し、学力検査の成績と組み合わせて合否判定に使うという点です(一部都道府県では推薦入試においても)。

もちろん国立大学法人付属の中学校や、公立の中等教育学校、一部の県の私立中学校では小学校の内申書の提出を求めていますし、大学の推薦入試では高校の評定平均を、私立高校の推薦入試では中学校における評定平均を、それぞれ出願の基準にしています。しかし、公立高校の学力検査による選抜での内申書の取り扱い方は、これらのケースとは根本的に違います。

2.評定を合計したり、換算したりして学力試験と組み合わせる
ほとんどの都道府県では、中学校での各学期の教科の記録は5段階の絶対評価で行われます。この記録のうち、多くの都道府県では中学3年生の1、2学期のものを高校へ提出する内申書(調査書)に記入します。各高校ではこの記録を、都道府県によって決められたやり方及び、学科や学校によって決められたやり方によって合計し(内申点とか、評定合計とか呼ばれます)、都道府県によってはさらにそれを換算します。そしてこの内申点と入試当日の学力検査の点から合格者を決定します。この場合、学力検査の点数と内申点とを合計し、その合計点が上位の生徒から順に合格としていくやり方や、その両者を縦横に並べてそれぞれに基準点(ライン)を設け、それを満たす領域にある受験生から順に合格者を決めていくやり方、またその両方の順位を考慮して合格者を決めていくやり方があります。

また、選抜方法を多様にするため、現在では上記の選考で漏れた受験者の中から、一定割合については少し尺度を変えて、再度選考するところが増えています。

3.教科の評定以外も内申点に加算される
必ずしもすべての都道府県で明確にされているわけではありませんが、各教科の5段階評価以外の記載事項も点数化されたり、合否のライン上での最終的な判定資料として使われます。

興味・関心・意欲・態度を見る観点別評価(内申書の上ではA・B・Cの3段階評価)や選択教科の評価(A・B・C)、また特別活動(A・B・C)などが、都道府県によっては点数化されます。またクラブ活動等や、その他の記録、総合的な学習の時間の記録なども、点数化はされませんが判定資料としては使われます。私立中学入試や、大学のセンター試験、一般入試(国立の2次試験)などとは、同じ学力試験とはいえその仕組みは大きく違うわけです。

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