たし算・ひき算の教え方 買い物や料理など身近な話題で楽しく学ぼう

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小学校入学を前に「小学校の学習についていけるか心配……」と感じている保護者のかたは少なくないでしょう。特に、算数は得意不得意が分かれやすく、授業時間も国語に次いで長い教科です。入学後につまずかないよう、家庭で算数の学習をサポートしたい保護者のかたもいると思います。今回は、たし算・ひき算を理解するための、小学校入学前からできる家庭でできる教え方についてご紹介します。

この記事のポイント

硬貨を使った買い物でたし算・ひき算の考え方に慣れる!

小学校でたし算やひき算を学ぶ際、10を1つのまとまり、100を1つのまとまりとしてとらえる場面が頻繁に出てきます。たとえば下のように、小学1年生で「4+8」を学習する際、「4に、あといくつたすと10になるのか」、「8に、あといくつたすと10になるのか」という、10のまとまりをつくって計算する考え方を学びます。

このような、10を1つのまとまりとしてとらえる思考を身に付けるために、硬貨はとても有用です。1円玉が10枚集まると10円玉に交換できます。この交換という考え方は、10や100を1つのまとまりとして自然ととらえることになるので、たし算の理解に役立ちます。

また、ひき算でも10のまとまりを活用します。たとえば、小学1年生で学習する下のような場合です。

13を10と3に分け、先に10から7をひく方法を学びます。ひき算でも、10を1つのまとまりとしてとらえる考え方を用いるので、日常の買い物で硬貨に慣れ親しむことは、たし算・ひき算の理解を助けることにつながります。近年はキャッシュレス化が進み、硬貨を扱う機会が減っていますが、お子さまと買い物をする際には意識的に現金を使うことで、たし算・ひき算の基礎を育てるのもよいでしょう。

  • 硬貨を使って10や100を1つのまとまりとしてとらえる機会をつくる

料理の材料準備でたし算・ひき算の考え方を使う!

料理の材料準備は、たし算やひき算といった基本的な計算の概念を理解するのに非常に効果的です。レシピには通常、何人分でどれくらいの材料が必要なのかが記載されています。これをもとに、たし算やひき算の考え方を使うことができます。

たとえば、2人分で2カップの水が必要と記載がある場合、「4人分で作りたい時は何カップ必要になるのか」「1人分作りたい時は?」といったことを考える必要があります。これは、自然とたし算やひき算を使う機会になります。このような経験を多く積むことで、計算の概念を理解することにつながり、自然と計算に慣れ親しむことができます。
料理の材料を準備する過程で、「このレシピは2人分だけど、今日は4人で食べるから、水は何カップ必要かな?」といった問いかけをすることで、お子さまが自分で考える機会を自然と作ってあげるとより効果的でしょう。

  • レシピをもとに材料を準備することで計算を使う機会をつくる

自分の考えをまとめる練習をしよう

最近の学校では、単に正しい答えを見つけるだけでなく、その答えに至る思考の過程を整理し、他人にわかりやすく伝える力も重視されています。これは、たし算・ひき算の学習でも同様で、答えを導き出す過程を言葉や文字で表現する力も求められます。このような伝える力を身に付けるには時間が必要なため、小学校入学前から準備できるとよいでしょう。

伝える力を身に付けるための第一歩として、日常の会話の時間を大切にしましょう。会話を増やすことを通じて、思ったことや考えたことを相手にわかりやすく伝える経験が積めます。具体的には、絵本を読んだあとに「どんなお話だった?」と問いかけてみてはいかがでしょうか。子どもは読んだ内容を他人に伝えるために自分の言葉で考えを整理し、相手にわかりやすく伝える力を養うことができます。そしてその際、足りない部分を対話で引き出したり、話す内容の順番の工夫を促したりするとより効果的でしょう。また、「おもちゃを使って自分だけの物語を作ってみる活動」もおすすめです。

  • 最近の学校では答えを導くだけでなく、考えた過程を表現することも求められる
  • 日常の会話を増やし、読んだ絵本の内容を話したり、おもちゃを使って物語を作ったりすることなどを通じて、自分の言葉で考えを整理し、他人にわかりやすく伝える力を育てる

まとめ & 実践 TIPS

たし算・ひき算の対策は、小学校に入学する前から始めることができます。ご紹介した内容は、お子さまとの関わりを深める機会にもなります。ぜひ、お試しください。

株式会社プランディット 数学課 赤坂
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの算数・数学の教材編集を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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