【専門家監修】ドキッ!「見えない教育費」の正体とは?慌てないための2ステップ
- 教育費
「こんなところで、数万円ものお金がかかるなんて……!」
子育てをしていると、想定外にかかるお金に、ドキッとすることがあるのではないでしょうか?
たとえば、習い事の月謝に始まり交通費や発表会の費用、家族のイベント費などです。実はそういった「見えない教育費」をざっくり見積もっておくだけでも、家計が安定します。
今回は、「見えない教育費」について、費用の洗い出し方や計画の立て方までご紹介します。
見えない教育費」の正体とは?
「見えない教育費」に慌てないためには、まず見えない教育費の正体を知ることが大切です。
じつは、子どもの学習費は大きく3つ
文部科学省が行った「令和3年度子供の学習費調査」では、子どもの学習費は大きく以下の3つに分類されています。
- 学校教育費:入学金・授業料・修学旅行費・PTA会費・通学費・制服・通学用品など
- 学校給食費:幼稚園・小学校・中学校における給食の費用
- 学校外活動費:「補助学習費(塾や通信教育の費用など)」と「その他の学校外活動費(学習以外の習い事や体験など)」の2種類がある
今回の「見えない教育費」とは、学校外活動費の「その他の学校外活動費」を指しています。
見えない教育費の正体は5つ
見えない教育費は、主に以下の5つの項目に分けられます。
※文部科学省「子供の学習費調査 項目別定義」より著者抜粋
表より、習い事や留学、動物園や博物館の入場料など、学費とは別にさまざまな教育費がかかることが見てとれます。
具体的な活動ごとに、どんな費用があるのか見てみましょう。
習い事の場合、月々の費用を気にしがちですが、それ以外にもかかる費用は多くあります。
実際に、保護者のかたがお子さまの習い事で感じた、見えない教育費がこちらです。
小学1年生 ピアノ
「1年生の娘がピアノを習っています。年間でピアノにかかるお金は約12万円と聞いていたのですが、入会してもっと費用がかかることに気が付きました。年間で教材費約1万円、発表会が約3万円(年2回)、発表会のドレスが1万円、試験が5,000円。予想外に5万5,000円もの支出があり、びっくりしました」
小学1年生 サッカークラブ
「入会金5,000円、年会費5,000円、月額7,000円、トレーニングウェア1万2,000円は納得して入会しましたが、サッカーシューズ(約6,000円)を数か月ごとに買い替えたり、試合ごとの出場費(1回2,000円)と交通費、合宿費(1回2万~3万円)がかかったりすることは想定外でした。さらに子どもが「サッカーのドリブルだけを教えてくれる特別トレーニングに通いたい」と言いだし、そこでも月額6,000円の出費が……」
お子さまや保護者のかたが選ぶ習い事や体験によって、「見えない教育費」は大きく差があります。事前にいくらかかるのか、いくら出せるのか、お金の計画を立てる必要があるでしょう。
見えない教育費は小学校時代の負担が大きい!
文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」のデータから、小学校と中学校の1年間の教育費を、公立と私立別に見てみましょう。
※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」より作成
「見えない教育費(オレンジ色部分)」を比較すると、
- 中学校 < 小学校
- 公立 < 私立
となっており、小学校のほうが見えない教育費は高いのです。
中学校になると「見えない教育費」は減りますが、逆に塾や通信教育といった補助学習費が増えています。
小学校でかかる「見えない教育費」は、月々に換算すると公立で約1万円、私立で約2万4,000円です。
「見えない教育費」を見える化する2ステップ
「見えない教育費」で困らないためには、「どこからそのお金を出すのか?」を考えておくことが大切です。
一番のオススメは、見えない教育費のために「教育予備費」として決まった口座に用意をして、そこから支払うことです。そのうえで可能なら、家計の見直しもできるとベスト。そのための計画の立て方を見てみましょう。
1.家計簿をつけよう
家計簿と聞くと「続かないかも……」と思う人もいるかもしれませんが、安心してください! 食費・光熱費・教育費・日用品など、細かく分類しなくて大丈夫です。
今回は「見えない教育費」を見える化することが目的なので、必要な項目は以下の3つのみ。
- 「教育予備費(習い事費・施設利用費など)」
- 「教育費(学校関連費・塾代などの固定費)」
- 「その他すべての支出」
余力のある人は、「その他すべての支出」から「食費」や「光熱費」を抜き出して記録してもOKです。
家計簿用としてノートやエクセル、家計簿アプリなど使いやすい方法を決めて、1か月の支出を書き出してみましょう。最近の家計簿アプリは、レシート撮影やクレジットカードとの紐づけで自動入力をしてくれるのでオススメです。
まずは1か月続けてみましょう。1か月分だけでも教育予備費のおよその必要額がわかりますよ。できれば数か月続けると平均値がとれるため、より正確に教育予備費の把握が可能です。
2.「教育予備費」の積立をしよう
「教育予備費用」は決まった口座に、自動引き落としなどで定期積立をしましょう。口座を分けるところがポイントです。
「見えない教育費」を「教育予備費」として決まった口座に用意しておくことで、「どこからお金を出そうか」と迷う必要がなく、使いすぎを防ぐことにもつながります。
家計の基本は、1年間の収入内で支出を抑えて生活をすることです。そのためには家計簿をつけて現状を把握し、収支改善策を立てて実行することが大切。早ければ早いほど家計が健全になります。ぜひ実践してみてください。
まとめ & 実践 TIPS
子どもが小学生・中学生になると「習い事の費用ってこんなにかかるの?」「家族のお出かけ費が大きくなった」など、見えない教育費も大きくなる傾向にあります。見えない教育費が家計を圧迫しないように、まずは支出を把握し、現在どれくらい見えない教育費がかかっているのかを知ることが大切です。簡単な家計簿から、見えない教育費を見える化していきましょう。
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※このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
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