あと1年で中学生 6年生の1年間で培っておきたいことと保護者の働きかけとは?
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来年の春には中学生。勉強に部活にいろいろ大変だろうから、今から心の準備をさせてあげたほうがいいだろうか。そうお考えの保護者のかたもいらっしゃるかと思います。
中学入学までの一年間に、ご家庭ではお子さまに対してどんな働きかけをしたらよいのでしょうか。
(赤ペン先生 河原)
「理解すること」と「考えること」の楽しさに気づかせる
中学生になってから心配なことのいちばんは、やはり「勉強」ではないかと思います。実際、のんびりした小学生時代にくらべると、生活の中で「勉強」の比重はかなり大きくなるといえます。
複数の教科から出される宿題、ノート提出、日々の小テスト、定期テスト・・・。これだけを聞くと、「大変!今すぐ勉強させないと!」と焦ってしまいますね。
もちろん家庭学習の習慣はとても大事で、小学生のうちに身に付けておきたいところではあります。でも「無理矢理やらされている」感覚をお子さまに持たせてしまっては逆効果。かえって勉強するのがイヤになってしまう危険があります。
それを回避するために、今培っておきたいのはお子さまの「自主性」であると思います。そして自ら行動を起こしたいと思う動機は「楽しさ」にあります。
小学生最後の一年間を使って、「理解することの楽しさ」と「考えることの楽しさ」に気づいてもらえるように、お子さまに働きかけてみるのはいかがでしょうか。
「理解できたことの喜び」を意識しながら生活してもらう
私の子どもやそのお友だち、「赤ペン」で出会う子どもたちを見ていると、大人が思うほど子どもは勉強が嫌いではないとわかります。
「できた!」「ワカッタ!」という「喜び」が、「もっと知りたい」「先に進みたい」という気持ちにつながっているのを感じます。
でも子どもたちは、いちいちそんなことを意識してはいないでしょう。むしろ意識は「ワカラナイ」=「楽しくない」のほうに引っ張られがちだと思います。子どもたちの意識を「ワカッタ」=「楽しい」の方に向けてもらうには、言葉かけが大切かもしれません。
といっても難しい言葉は必要なく、お子さまに時々「今日はどんなことがワカッタ?」と問いかけるだけでよいと思います。「ワカッタ!」と思えた瞬間と、そのときに感じた喜びを思い出してもらうのです。お子さまは少しずつ、自分自身でも「ワカッタ!」「理解できた!」という喜びを意識することができるようになると思います。
「ワカッタ!」を多く感じてもらうのにお勧めなのは、授業の「予習」です。予習の段階では、ちんぷんかんぷんでいいのです。授業で習って「あ、これがアレか」と気づけたときに「ワカッタ!」が押し寄せます。お子さまはきっとそれを「楽しい」と感じることでしょう。
「考えることの楽しさ」を家庭内で味わってもらう
中学生になると、お子さま自身の考えが問われる場面も多くなります。勉強面では、ノートをどうとるか、テスト勉強をどう進めるか、などについて自分に合うやり方を考えなければなりません。生活面では行動範囲が大きく広がり、どんな行動をとるべきかをその都度自分で判断する必要があります。
そのときに備えて、今ご家庭でできるトレーニングの一つが「料理」です。
楽しいだけにとどまらず、火や包丁の扱いなど注意すべき要素もあるところが、お子さまを大いに刺激してくれるでしょう。美味しくできて喜ばれたら自信になりますし、失敗から学んで次回はこうしたらどうかと思いをめぐらすこともできます。
料理に限らず、おうちの中でのルーティンには、考え、判断する力を伸ばす材料がふんだんにあります。それらを上手に利用すれば、日常生活の中でお子さまに「考えることの楽しさ」を味わってもらう機会を、たくさん用意してあげることができるでしょう。
まとめ & 実践 TIPS
おうちのかたの働きかけにより「理解することの楽しさ」と「考えることの楽しさ」を意識できたお子さまは、いろいろなことを楽しみながら乗り越えていける中学生になれることでしょう。おうちのかたと関わり合い、目の前のことに懸命に取り組むことで、準備は自然に整います。どうぞ小学生最後の貴重な一年をお子さまと存分にお楽しみください。
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