【これからの時代に必要な力】変化の激しい時代を生き抜く方法
これからの時代は、変化が激しく、多様で複雑な価値観を認め合うことが必要です。新しい時代に必要な力を育てるために、家庭ではどんなサポートができるでしょうか。ベネッセ教育総合研究所 初等中等教育研究室の木村治生室長が、解説します。
キーワードは「自ら学び続ける力」
「いい学校に入ること」は、もはやゴールとはいえません。これからの時代、人は大人になってからも一生、学ぶことが求められるからです。今の子どもたちに求められているのは、「自ら学び続ける力」です。そのような力を身につけて、自分から情報を集め、自分で考え、仲間とともに問題に取り組み、世の中に新しい価値を生み出していく。そういった人材が求められる時代です。
そのため、テストに出るところを覚えていい点を取る、その積み重ねで偏差値の高い学校へ進学する、といった従来の成功モデルが成り立ちにくくなっています。子どもに対する、周囲の大人のアプローチも変わらなくてはなりません。「先生や親に言われたことを、言われたとおりにやる」というだけでは、自ら学び続ける力は、身につきません。
成功のトライアングル
お子さんが自ら学び続ける力を身につけるためには、自信を持って積極的に、いろいろなことに取り組む経験が必要です。【積極性→成果→自信(→積極性…)】といったサイクルを回し続けることが、成功に結びつくといえるでしょう。お子さんをこのサイクルに乗せるためには、保護者の関わり方が大きな鍵を握ります。
ポイントは2つあります。1つは、「ほめ方」。子どもが何かをした「結果」ではなく、「プロセス」をほめることです。たとえ失敗しても、努力に目を向けて、ほめてあげてください。逆に、親が結果ばかりをほめていると、結果だけを気にする子どもになってしまいます。
もう1つは、「自己決定」のサポートです。子どもが自分で決める機会を設けてあげてください。逆に、親が「こうしなさい」と指示を与え続けていると、指示を待つ子どもになってしまいます。
プロセスをほめ、自己決定をサポートする。生活・遊び・学びなどあらゆる場面で、この姿勢を持つことが大事です。