女性の活躍促進に幼児教育の無償化が不可欠 国際機関が指摘

女性の活躍促進に幼児教育の無償化が不可欠 国際機関が指摘安倍内閣が最重要課題として掲げる「教育再生」と「経済再生」。そのうち、教育再生においては、幼児教育について、財源を確保し段階的に無償化する方向性を明確に打ち出した。経済再生においては、その一環として、女性の活用促進を重要政策としている。国際機関である経済協力開発機構(OECD)は、両者を結び付けて推進することが日本にとって重要だと指摘した。教育ジャーナリストの渡辺敦司氏が解説する。

 

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テレビ会議方式で日本向けに記者会見を行った、OECDのアンドレア・シュライヒャー教育局長は、2005(平成17)年から12(同24)年までに、3歳児の就学前教育機関への在籍率が9ポイント伸びたことと、同じ時期に25~34歳の女性の就業率が5ポイント伸びたことが、実は連動していたと分析。「就学前教育を拡大することは、幼児が教育面で恩恵を受けるだけでなく、より多くの女性が労働力として参画することに寄与する。日本の課題は、3歳児より幼い子どもを就学前教育に預けることだ」と指摘しました。

 

日本ではかつて、幼稚園は「教育」、保育所は「福祉」と、行政分野が縦割りになっていました。そうした課題に対して、幼保一体化に乗り出すため06(同18)年、両者を「就学前教育」と捉えた「認定こども園」制度を創設しました。同園では2歳まで保育を行ったあと、3歳児以降は保育とともに教育を行いやすくなります。

 

女性の就業拡大をめぐっては、待機児童の解消が都市部を中心に喫緊の課題となっています。OECDの指摘と併せ考えれば、将来を担う次世代の人材育成にとっても、就学前教育の充実は重要性を増していると言えます。

 

消費増税など財源問題が大きく横たわっていることも事実ですが、経済再生と教育再生が最重要課題だという安倍内閣なのですから、ぜひ政治主導で大胆な就学前教育の充実策を打ち出してほしいものです。

 

出典:就学前教育の充実は「女性活躍」にも不可欠 国際機関が指摘 -ベネッセ教育情報サイト

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