デキる子は家庭の会話にヒミツがあった!公立中高一貫校合格家庭の会話術
設立以来、人気が衰えることのない公立中高一貫校。その適性検査は難易度が高く高倍率であることが知られていますが、そんな学校にお子さまが合格したご家庭では、どんな日常を送っているのでしょうか。公立中高一貫校の合格家庭を数多く取材している編集室が注目したのは、親子の会話。そこに、学習に役立つヒントがあると考えました。今回は、合格ファミリーが実際に行っている会話術をご紹介します。
(文・大島佳子)
合格ファミリーの共通点は「会話上手」
公立中高一貫校の合格ファミリーへの取材で驚くのは、反抗期・思春期のお子さまを相手にしているとは思えない豊富な会話量と、内容の質の高さ。おうちのかたは実に自然に、お子さまと「学びにつながる」会話を楽しんでいました。
編集室が気づいた、5つの事例をご紹介します。
◆気づき① 学習したことを生活に生かす
例:料理をするときに、4人前のレシピを子供に見せて「これを6人前にすると分量はどれくらい?」と聞いてみるなど、学校で学んだことを日常生活に生かせるような声かけをしていた。
◆気づき② 身のまわりの素朴な「なぜ?」を投げかける
例:「どうして高速道路に沿って壁があるんだろう?」など、普段から目にする物事の「なぜ?」を子供に多く投げかけていた。
◆気づき③ ニュースは自分に引きつけて考えさせる
例:選挙のニュースを見たとき「○○(子供の名前)なら、誰に投票する? それはなぜ?」などと、自分の考えを言葉にするように促していた。
◆気づき④ 遊び心ある会話でひらめき力や語彙力を鍛える
例:家族がそろう夕食の時間などに、「単語の真ん中に『あ』が入る言葉に限定したしりとり」をしたり、ルーレットを作って出たお題について順番に話したりと、ゲーム性を取り入れながら、ひらめき力や語彙力が身につくような会話をしていた。
◆気づき⑤ 不意打ちで問題を出して、苦手つぶしをしている
例:理科と算数が苦手だった子に、外出中や食事のときに、不意打ちで「1メートルは何センチ?」などと出題。答えられなくても叱らず、答えられるようになるまでくり返し確認していた。
会話が弾む5つのポイント
合格ファミリーには、学びにつながる会話をしているだけでなく、とにかく親子の会話が多いという共通点があります。しかし、小学校高学年になると、おうちのかたが一生懸命話しかけてもつれない返事しか返ってこないなど、親子で会話することが難しくなる時期。そこで、お子さまとの会話が弾む5つのポイントをご紹介します。
ポイント1 目を合わせ「笑顔の瞬間」に話しかける
読書をしている、好きなテレビを見ている、など、子供が何かに夢中になっているときに話しかけても、生返事しか返ってきません。目を合わせて子供がニコッとしたときが、話しかけるベストタイミングです。
ポイント2 子供が話しやすい話題から切り出す
おうちのかたが「よし、話をするぞ!」と意気込んで、いきなり本題から話し始めると、子供にとっては話しにくいことも。「今日の給食は何だった?」など、まずは子供が好きなことや答えやすい話題からスタートすると、話が弾みやすくなります。
ポイント3 まずはおうちのかたから話して会話を広げる
「学校どう?」「勉強は?」とただ漠然と質問されても、子供は答えようがなく、「別に」で終わってしまうことも。まずはおうちのかたが、「今日こんなことがあってね」などと自分自身の体験や考えを具体的に話してみましょう。
ポイント4 聞き上手になり盛り上げる
聞き方を工夫するだけで、会話はぐんと盛り上がります。詰問口調にならないよう、共感するように「へぇ、どうして?」「なぜそう思ったの?」と聞き返すと、子供も自然と受け入れることができ、さまざまな理由や根拠を考えたり説明したりする力もつきます。
ポイント5 子供の言葉をリフレインする
例えば、子供が「三角形の面積の公式は誰が考えたんだろう」と言ったら、「誰が考えたんだろうね」と、最後のフレーズをおうむ返しにします。共感しながら言うことで、子供は安心感を得て話に乗りやすくなり、逆に問いかけられることで、考える力も育まれます。
【編集室より】
このように、日々の会話のちょっとした積み重ねが、お子さまの学習にも良い影響を与えるようです。合格ファミリーの実践例を参考にしながら、学びにつながる会話を上手に取り入れていきたいですね。