1/4が子どもの電子辞書反対、保護者はネットを活用!
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中3の約半数は電子辞書を持っている!
続いての質問は電子辞書についてです。どれくらいの割合の子どもが電子辞書を持ち、また使用しているのでしょうか。
【図6 お子さまは、電子辞書をお持ちですか?(全体)】

【図7 (横軸)お子さまは、電子辞書をお持ちですか?(学齢別)】

「子どもが電子辞書を持っており、使っている」という家庭の割合は、15.6%。「子どもが電子辞書を持ってはいるが、使ってはいない」という家庭も5.1%あったので、全体の約2割の家庭で子どもに電子辞書を持たせていることになります。また、図7を見ると、電子辞書を持つ子どもが中1から一気に増えていることがわかります。そして中3では、約半数の子どもが電子辞書を持ち、そのうちの約8割の子どもが実際に電子辞書を使っていました。
中学生になると、授業科目が増えるだけでなく、部活などで学校に持っていく荷物も多くなります。複数の辞書・辞典の内容が入力され、外国語の発音練習機能なども搭載された電子辞書は、手軽で便利なアイテムとして重宝されているようです。中学校入学のお祝いに電子辞書をプレゼントされるケースもあるのではないでしょうか。
大半の保護者が電子辞書に疑問あり!
では、子どもが電子辞書を使うことについて、保護者はどう思っているのでしょうか。
【図8 お子さまが電子辞書を使う、と言ったらどう感じますか】

【図9 (横軸) お子さまが電子辞書を使う、と言ったらどう感じますか? (縦軸) お子さまは、電子辞書をお持ちですか?】

子どもが電子辞書を使うことについて最も多かった回答は「どちらともいえない」で、52.7%。「反対である」が27.8%で続き、明確に「賛成である」とする保護者は19.5%にとどまりました。また、実際に子どもに電子辞書を持たせている家庭にも、電子辞書使用に反対する声がありました。大半の保護者が子どもの電子辞書使用に対して何らかの批判や疑問を持ち、全面的には賛成していないことがわかりますが、そのことは保護者から寄せられた多くの意見にも表れています。
たとえば、「電子辞書は紙の辞書と違って、調べたい項目の解説を読むだけで、その隣の項目やふと目についた項目の解説を読むことができません。子どもの興味を広げるチャンスが大きく制限されてしまうと思います」「調べたい言葉を、辞書に載っている多くの言葉の中から自力で見つけ出す作業は、子どもにとってとても大切。電子辞書を使うのは、紙の辞書を使いこなせるようになってからのほうが良いのでは」「知りたいことを『調べる』という行為の面白さは、面倒がらずに手を動かしてこそ味わえるものなので、電子辞書は、子どもには使わせたくありません」など。中には校則で電子辞書の使用を禁止している学校もあるようです。「時代の流れでは電子辞書ですが、もっと本質的な意味で紙の辞書と電子辞書の長所短所を比較し、そのうえで子どもに与えたい」という声もありました。
保護者がよく辞書を引く家庭の子どもは、自分でもよく辞書を引く!
最後に、保護者自身は日頃どのくらい辞書を引いているのか、また、調べ物をする時に何を用いるかを、伺いました。
【図10 あなたご自身は、日頃辞書・辞典を使用するほうですか?】

【図11 あなたご自身は、何か言葉や文字を調べる時、どれを使いますか?】

【図12 (横軸)国語辞典について伺います。お子さまが辞書を使う頻度はどのくらいですか?(縦軸)あなたご自身は、日頃辞書・辞典を使用するほうですか?】

「辞書・辞典を使っている」という保護者は、全体の約半数でした。また、保護者自身が何か言葉や文字を調べる時に最もよく利用しているのは「インターネット」であり、次いで「紙の辞書・辞典」でした。保護者自身は、効率・スピード重視なのかもしれません。そして図12からは、辞書・辞典をよく使う保護者の家庭は、子どもも高い頻度で辞書・辞典を使っていることがわかりました。
(まとめ)
今回のアンケートから見えてくるのは、子どもにどういう辞書を使わせるかに心を砕く保護者の姿です。多くの保護者が辞書を、単に知識が得られるツールとしてではなく、子どもの興味を広げ、子どもに調べる方法や楽しさを教えてくれるものとしてとらえていました。そのことは、「もっと国語辞典を引いてほしい」という願いを子どもに持つ保護者が非常に多いことにも表れているのではないでしょうか。そして、子どもと辞書の距離を縮める最も良い方法は、まず保護者自身が辞書に親しみ、その姿を子どもに見せることなのかもしれませんね。