「校内暴力・学級崩壊」について【前編】

期間 2006/3/8〜3/12 有効回答数:888人

文部科学省の調査によると、公立学校の小・中・高等学校における児童生徒の「学校内での暴力行為」発生件数は、30,022件にのぼるといいます。もし、お子さまが通う学校で校内暴力や学級崩壊が発生したら? 今回は、校内暴力や学級崩壊の現状をどうとらえるべきか、保護者としてどう対処すべきなのか、などを整理していきます。

校内暴力発生の低年齢化が危惧される実態

2005年9月に文部科学省から発表された「(2004年度)生徒指導上の諸問題の現状について」によると、暴力行為が学校内で発生した学校数は5,765校(小学校665校、中学校3,366校、高等学校1,734校)であり,全学校数に占める割合は15.3%(小学校2.9%、中学校32.6%、高等学校42.4%)となっています。
学校外で暴力行為を起こした児童生徒が在籍する学校は2,491校(小学校166校、中学校1,643校、高等学校682校)であり、全学校に占める割合は6.6%です。しかし学校段階別に見ると、小学校はわずか0.7%であるのに対して、中学校15.9%、さらに高等学校16.7%と、中学校段階から急激に跳ね上がります。

校内暴力の形態別で見ると、小・中・高等学校いずれも「生徒間暴力」が最も多く17,541件(小学校1,126件、中学校12,857件、高等学校3,558件)となっています。また校舎の窓ガラスなどの「器物損壊」や「対教師暴力」、さらに「対人暴力(生徒間暴力、対教師暴力)」がそれに続きます。
実際に加害者となる児童・生徒を学齢別に見ると、中学3年生が11,127人と最も加害者となるケースが多く、全体の29.9%を占め、そのうち男子が約9割を占めているのが現状です。
ただし、毎年実施されているこの調査によると、暴力行為の発生件数(公立の小・中・高等学校)は、学校内外での発生件数いずれも前年度である2003年度を下回っています。【図1】
過去8ヵ年の学校内における暴力行為発生件数の推移を見ると、中学校では2000年度の27,293件をピークに、2003年度は一時増加したものの、ゆるやかに減少傾向にあるようです。
一方で小学校では、校内暴力発生の低年齢化が指摘されるなか、2002年度の発生件数は1,253件と前年度より減少したものの、2003年度さらに2004年度にかけ増加傾向にあるのが気になります。
学校数の調査でも、2001年度は校内で暴力行為が発生した学校数が532校だったのに対し、2004年度では665校と増えてきています。

  ※文部科学省 「生徒指導上の諸問題の現状について」 より


校内暴力・学級崩壊への心配は2/3を占める

「教育発見隊」のメンバーの皆さまに「校内暴力・学級崩壊」について心配することがあるかを聞いています。
回答では、「とてもある」+「ときどきある」の割合が約66%と、2/3を占めています。 【図2】



さらに、「校内暴力」への考え方についてもご回答いただきました。「校内暴力」発生の原因はどこにあるのか、アンケートでは「教育発見隊」メンバーの皆さまの考えに近いものを3つまで選んでいただきました。
そこでは、「家庭での教育のしつけが低下した」「幼少期からのしつけ、生活習慣、社会性が積みあがっていない」「親が生活・態度に干渉しなくなった」などが上位を占めました。【図3】


では、「校内暴力」の解決策はどこにあるのでしょうか。(カッコは子どもの学齢。以降同じ)
  • 親が謝罪しても、子どもに反省の色がない。教師を責める前にひとりの親としての責任を果たすべき。(中学生)
  • 幼児期から自分がいかに大切な存在か、どの人もみんなだれかの大切な人だということをしっかりと教える。(小1)
  • 親同士のいい関係が子どもの人間関係に影響を与え、親も先生と一体となってコミュニケーションがとれるといいと思います。(小2)
  • 子どもが悪いことをしてもあまり怒らず他人の子を責めるなど、自分の子どもをかばいすぎる親が増えている。家庭でのしつけなどはすごく重要だと思います。(小4)
  • 暴力の程度にもよりますが、何よりも暴力を振るっている本人の保護者が現状を知ることです。学校側が怖がらずきちんと知らせること、そして、その他の保護者にも学校側から、ことの経緯を知らせることだと思います。(小6)

などと、家庭での教育を基本として、親が普段からコミュニケーションを密にして、子どもと会話をしているか、目配りができているか、過干渉していないか、そして、家族内(夫婦間)の関係を大切にすること、さらには学校側がもっと情報を開示するべきではないか、などの意見が多く寄せられました。子どもを自由にさせていることと、子どもに無関心なままでいることとは、意味が違います。いつの時代であっても、アラームを発信している子どものちょっとした表情の変化に家庭と学校が気づいてあげることが、「校内暴力」を引き起こさせない基本なのかもしれません。


学級崩壊−家庭での教育力、幼児期からのしつけが大切


そこで、校内暴力と同様に特に小学校段階でしばしば問題になる「学級崩壊」について見てみます。【図4】は、小学校・中学校における「学級崩壊」への考え方を「教育発見隊」メンバーの皆さまに聞いたものです。「学級崩壊」発生の原因はどこにあるのか。ここでも、「校内暴力」での回答と同様に、家庭での教育力(しつけ)が低下したと考える方が最も多い結果となりました。


学級崩壊の経験はさまざま

ここで、学級崩壊を経験された体験を、回答のなかから少しご紹介します。(カッコは子どもの学齢。以降同じ)

  • 現在小学1年生の息子のクラスが、まさに学級崩壊でした。4月の授業参観ではごく普通の授業態度でしたが、5月に入ってからの授業参観では、(子どもたちが)勝手に立ち歩く、トイレに行く、しゃべる……目が点でした。その後息子は、毎日プリントを盗まれ、いきなり殴られ、言いがかりをつけられて泥を投げられ、全身泥まみれにされ……。毎日毎日「もう学校は行かなくて良い」と言いそうになりながらも、それでも登校させました。結局、問題児の親の無関心、担任の先生の指導などが原因だったようで、担任交代、副担任の配置などで表面上は落ち着きを取り戻しました。(小1)
  • 小学2年生のクラスで、数人の子どもたちが授業中に立ち歩く、教室内・外で遊ぶ、ケンカをするなどで授業が成立しなかった。担任は新卒の女性教員で、泣きだすこともたびたびあったようだ。教頭や教務主任が教室に入ることで授業ができるようになった。(小6)
  • 授業中立ち上がる、勝手に発言する、机ごと壁を向いている、机にうつぶせになっているなど数えきれない。何かトラブルがあるとすぐに男子たちは怒って暴力を振るう。女子はうるさい男子に対抗しようと大声で怒鳴る。わが子の学級の場合、3学期には学級崩壊状態になった。普通にしていた子まで教室の落ち着かない状態に嫌気が差して不安定になり、暴力におびえている。(小5)
  • 授業中の私語の多さに驚く。その姿には、先生に対する尊敬の念などどこにもない。それでも、先生の呼びかけに応える児童はまだいいが、無関心な子もたくさんいる。(小5)

小学校の段階で、突然感情を爆発させる子どもたちがいる学級崩壊。一人が二人になり、時に集団を作って「むかつく」「ちょーだるい」などと自由に発言し、教室から抜け出す子どもたち。物理的に授業が成立しないだけでなく、当事者以外の子どもたちの心も不安定になっていくようです。しかし、勝手な振る舞いをする当事者の子どもたちに何をすべきなのか、そして家庭で何をすればいいのか。

次回「校内暴力・学級崩壊」について【後編】では、家庭環境のありかたも踏まえ、子どもの「居場所づくり」、「豊かな心」を育むために果たさなければならないことを、「教育発見隊」アンケートの回答から考えていきます。ご期待ください。

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