マスクを外しづらい理由は周りの目?子どもが自己判断でマスクを外せないのは心配…-親子のマスク着用 実態調査から-

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マスク生活も2年あまり。
5月下旬に厚生労働省から発表されたマスク着用の考え方では、マスク着用の必要がないケースも示されていますが、実際の着用に変化は見られるのでしょうか。各家庭でのマスク着用の実態について聞いたアンケート調査の結果を見ていきましょう。

■調査概要
調査地域:全国
調査対象:小学生・中学生・高校生のお子さまをお持ちの保護者のかた
調査期間:2022年6月3日~2022年6月17日
調査手法:Webアンケートによるベネッセ調べ
有効回答数:801名

この記事のポイント

「親子とも場面に応じて外す」「親子ともつけている」がほぼ同率に

「マスク、場面に応じて外していますか?」との質問には、「親子とも場面に応じて外すことがある(36.5%)」「まだ親子ともつけている(36.5%)」が同率で1位となりました。マスクを外すことが進んでいるとは、まだまだ言いづらい状況のようです。

マスクを外す2つのケース

「場面に応じてマスクを外す」という人は、2つのケースでマスクを外しているようです。

1つ目は、屋外や近くに人がいないケース。「外で近くに誰もいない時は大人も外す。子どもは体育や外遊びでは外してよいと言っている。(小2・千葉県)」というように、お子さまにも外してよいケースを伝えている様子が見られました。

2つ目は、熱中症のリスクがあるケース。「周りに人の少ない状況や時間帯では外してもよいと子どもには伝えています。これからの季節、脱水や熱中症などリスクもあるので特に子どもたちの体調には気を付けたいです。(小1/小5・大阪府)」といった声が寄せられていました。

「まだ親子ともつけている」理由は2点

親子ともマスクをつけている人には、2つの理由があるようです。

1つ目は、感染リスクを軽減したいというもの。「感染したことがあり、とてもつらく、後遺症の不安も感じる症状だったので、また感染する可能性を考えると不安でマスクを外せません。(小1・福岡県)」というように、感染を経験しそのつらさを実感しているからこそ、不安でマスクをつけているという声もありました。

2つ目は、確実に安全とわからないためマスクをつけているというもの。「マスクを外したら感染が拡大するのか、試している段階かと思うので、確実に安全とわかってから外したい。(小6/中2・東京都)」「コロナの治療薬がドラッグストアで手に入るようにならないと、マスクを外そうと思えない。(中1・北海道)」など、安全性や治療薬入手の利便性が高まることを望む声も寄せられていました。

気になるのは周りの目? 子どもより保護者がマスクを外していない傾向に

保護者と子どもとを比べてみると、保護者のほうがよりマスクを外していない傾向にあるようです。マスクを外すことのある割合を見てみると、子どもが59.1%であるのに対し、保護者は41%にとどまっています。
保護者から寄せられたコメントからは、周りの目を気にしてマスクを外すことに心理的ブレーキがあることがうかがえました。

「意識としてはわかっているつもりでも、周りの目が気になる。(中1・兵庫県)」とマスクを外すことにためらいを感じている様子も。そのような状況を「もはや今はコロナではなく周りの目が怖いからつけているだけの人が大多数なのでは……。(小2・埼玉県)」と指摘する声もありました。

子どもが自己判断でマスクをつけ外しできないことへの心配の声も

マスク生活が2年あまり続き、マスクをすることが当たり前になっているお子さまの様子を心配する声も多数寄せられていました。

「現在6歳です。外してもいいよと促しますが、物心がついたころからマスクをつけた生活が普通のため、マスクをつけることが当たり前と思ってしまうようです。(小1・秋田県)」

「子どもにも、周りに誰もいない時などは外すように言っていますが、一緒にいて、外すように言わないと外しません。コロナも怖いですが、熱中症や酸素不足などのリスクも怖いです。まだ自己判断ができないので、臨機応変につけ外しできたらよいのに、と思います。(小3・大阪府)」

自分の判断でマスクのつけ外しをすることがまだ難しい低学年では、保護者の心配は特に大きいようです。

子どものほうがマスク着用ルールに厳格との声も

お子さまのマスク着用の徹底ぶりに困惑する声も寄せられていました。

「子どもは学校でマスクを徹底させられ、していないと怒られるという認識があるため、外でも外さない。親としては、場面に応じて着用する柔軟さを持ってほしいところ。(中1・茨城県)」

「子どもの方が、学校でのルールをきっちりと守る傾向が強いです。大人はつい、食事終了後もつけないで話してしまったりしますが、子どもに注意されることも……。(小3/中1・神奈川県)」

子どもはその素直さがゆえに、マスク着用ルールにも厳格になる面があることがうかがえました。

ウィズコロナ時代のマスク着用は、まだまだ各家庭で試行錯誤段階

厚生労働省からマスク着用の必要がないケースも示されてはいるものの、まだまだ親子ともに戸惑いが見られる様子がうかがえました。マスク着用については、感染対策や熱中症予防といった観点だけでなく、周りの目や同調圧力も影響している部分がありそうです。

保護者の声を聞くと、戸惑いを覚えつつも子どもに不利益のないようにできることはないか……と試行錯誤する様子もうかがえました。

「長期間、マスクをつけることへのリスクのほうが高くなってきていると思います。(特に子どもは)つけることを推奨してきた大人が、必要でなくなったときには積極的に外すように声をかけるべきです。(小2・兵庫県)」というように、大人の態度の大切さを指摘する声も多く寄せられていました。

厚生労働省が示す指針があるとはいえ、マスク着用にはさまざまな観点からさまざまな考え方があるものです。明確な正解が見えない中で、不安を覚えることも少なくないでしょう。そんな不安を少しでも解消していくためにも、今回ご紹介した結果をもとに、各家庭でのマスク着用ルールについて話し合ってみるのもいいですね。

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