自制心は、インターバルトレーニングで高められる!ボーク重子さんに聞く!これからの子どもを幸せにする「非認知能力」の育み方 ~Lesson9 自制心

ライフコーチのボーク重子さんに、子どもの「非認知能力」の育み方について、連載でお伺いしています。第9回の今回は、先を見越して自分の行動をコントロールする力、「自制心」についてのお話です。

この記事のポイント

【保護者のかたのお悩み】
Q.ゲーム時間など、約束事(ルール)を決めても、子どもがなかなか守りません。
どうすれば、約束事を守って、やるべきことをやる子に育ちますか?
また、ゲームは「時間を守れなかったら1週間禁止」というペナルティを与えているのですが、こういうやり方でもいいですか?

決定権を子どもに与えることで、約束事は守られやすくなる

ボークさん:子どもと約束事を決める時には「子どもに決定権を与える」とよいです。
「もう終わりだよ!」と親が言ったからゲームをやめるのでは、親に決定権があります。時間が近づいてきた時に、「あと何分で終わる?」「いつまでやる?」と子どもに聞き、子どもに決めさせることで、決定権は子どもになります。
子どもが「あと10分」などと言った場合は、「あと10分ね。自分で決められたね」と念をおして、決定権をはっきりさせておくのも効果的です。

人間は自分で言ったことは守ろうとするものです。
本能的に、自分で自分をコントロールしたい欲求があるからです。誰かにコントロールされるのは、嫌なのです。
だからぜひ、約束事を決める時には、子どもに決定権を与える声かけをしてみてください。
またペナルティは、自制心を育むのにはあまり効果的ではありません
なぜなら、「ゲームが禁止になってもいい」「叱られても別に構わない」など、そのペナルティがどうでもよくなった時に、意味がなくなるからです。
また誰かに罰を与えられたり、叱られたりしなければ自分を管理できないのであれば、本当の自制心は育ちません。

よりよい未来を想像し、自分をコントロールできるか

「今ゲームをやりたい」という、目の前の大きな欲望を我慢して、勉強をする。
勉強するから、その先にあるテストの点数が良くなり、結果として、自分が志望した学校に進学できる……。そこまで考えて行動できたらよいのですが、子どもにとっては遠い未来のことであり、そのために目の前の欲望を自制するというのは、なかなか難しいでしょう。

子どもの自制心を調べる有名なテストとして、4歳児に行った「マシュマロ実験」があります。これはマシュマロを1つ用意して、15分我慢すれば、もう1つもらえるという実験で、子どもが我慢できたかということを調べました。
結果として、約1/3の子どもは15分間我慢でき、残りの2/3の子どもは、我慢できずに目の前のマシュマロを食べてしまいました。この実験では、「我慢したら15分後にもう1つもらえる」ことを理解し、よりよい未来のために、衝動的な行動をコントロールできるか、先を見越して自制できるかということを確認しました。そして、我慢できた1/3の子どもを追跡調査したところ、学業面でも優秀であり、肥満指数も低いなど、自己管理が優れていたということです。これはつまり、自制心が強い人は、先を見越す力があり、自分自身をコントロールできているということです。

自制心を高めるには「習慣化」が効果的

自制心は、訓練すれば、高めていくことができます。
その時に大事なのは「習慣化」することです。
「この時間になったらゲームはやめる」「この時間になったら宿題をする」など、オンオフをしっかりつける訓練です。これには「インターバルトレーニング」が適しています。やるべきことの間に休息や楽しみを挟む手法で、最後は好きなこと、やりたいことで終わるというのが鉄則です。
ゲームであれば、たとえば15分ゲームをして、15分勉強する。そしてまた15分ゲームをする。ゲームには時間で区切れない「きりのいいところ」もあると思うので、「ステージを1つクリアするまで」など、区切りは子どもと相談して決めるとよいでしょう。
勉強したあとにはまたゲームができる。ゲームをしたあとには、勉強する。それを交互に繰り返すことで、習慣化でき、自制心が高められます。

親が子どものロールモデルになる

自制心は子どもだけの話ではありません。
親も高めていくことができます。子育てにおいて、思わず子どもを怒鳴りたくなることもあると思いますが、怒鳴ったあとの、その声は取り戻すことができません。
今怒鳴らずに我慢して見守ることで、この子が成長する姿を想像してみる。
そうすることで、親自身の、自制心を高めていくことができます。

子どもは親をよく見ています。親が子どものロールモデルになってください。
腹が立った時に、大声を出していいのか。ものを投げてもいいのか。叩いてもいいのか。親が感情と行動をコントロールする姿を見せること。そして、親自身がやるべきことをやり、ワクワクして生きる姿を見せること。この2つの姿を子どもに見せていくことで、子どもは自分をコントロールする方法を学び、先にある明るい未来を想像できるようになり、自制心を高めていくことができます。

まとめ & 実践 TIPS

自制心を高めるには、その先によりよい未来が待っていると「想像できる」力が大事なことがわかりました。また自制心には「インターバルトレーニング」が効果的。「やりたいこと」と「やるべきこと」のメリハリをつけて習慣化することで、高められそうです。

非認知能力について、もっと詳しく読みたいかたはこちら
子どもを幸せにする非認知能力の育み方

プロフィール

ボーク重子

ボーク重子

ICF会員ライフコーチ。Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。米ワシントンDC在住。30歳の誕生日を前に渡英、ロンドンにある美術系大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、フランス語の勉強で訪れた南仏の語学学校で、米国人である現在の夫と出会う。1998年渡米し、出産。子育てと並行して自身のキャリアを積み上げ、2004年にアジア現代アート専門ギャラリーをオープン。2006年、ワシントニアン誌上でオバマ元大統領(当時は上院議員)とともに、「ワシントンの美しい25人」の一人として紹介される。一人娘であるスカイは2017年「全米最優秀女子高生」コンクールで優勝し、多くのメディアで取り上げられた。現在は、全米・日本各地で《非認知能力を育む子育て》《新しい時代のキャリア構築》についてコーチングと講演会を開催している。著書に『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)など shigekobork.com 東京FMラジオ局のAuDee (Iphoneアプリ)、マイスタジオにて「ピンクdeワオ:自己肯定感コーチング」毎週月曜日から金曜日朝6時配信中。

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