絵本ナビ編集長厳選! クリスマス気分を盛り上げる!「オススメの1冊」と絵本で楽しむクリスマス

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街にはイルミネーションのあかりがともるクリスマスシーズンがやってきました。クリスマス商品が多数発売されるこの時期、書店でも毎年たくさんのクリスマスに関連した絵本が並びます。クリスマスムードたっぷりの美しい絵本、しかけがたくさんあり、ワクワクする絵本、クリスマス文化に親しみ、親子で学びにつながるような絵本……。たくさん選択肢がある分、選ぶのも迷ってしまいますね。
年間1,900万人が利用する絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長の磯崎 園子さんに、年齢別の「クリスマスにオススメの絵本」と「絵本で楽しむクリスマスの過ごし方」についてお話を伺いました。

この記事のポイント

クリスマスに絵本を贈る家庭が増え、書店にもたくさんの特設コーナーができる12月

クリスマスの時期は毎年書店が1年のうちでいちばん忙しく、たくさんのクリスマス絵本がにぎやかに並びます。それを見ても、「クリスマスプレゼントとして絵本を贈る」、「クリスマスの絵本を贈る」ことが、日本でも習慣づいているのだと感じます。
クリスマスの絵本は、毎年新刊がたくさん出ているので、毎年少しずつ増やしていくというのもいいですし、クリスマスが近づいてきたと思う気持ちと同時に、「あの絵本をもう一回開きたいな」、「あの世界をまた味わいたいな」と繰り返し思い出す、毎年この時期に開きたくなるような、そんなクリスマスならではの1冊が見つけられるといいですね。

クリスマス絵本選びに迷ったら優先するのは「子どもの気持ち」

楽しいお話や不思議な雰囲気を味わうお話、サンタクロースやトナカイが登場するお話など、たくさん種類があってクリスマス絵本を選ぶのに困るという時は、やはり普段の絵本の選び方と同じで、「子どもが興味を持ったもの」という基準で、選ぶといいですね。子どもは「自分が好きなものを選んでくれた」ということ自体がうれしいものなので、その気持ちを大事にして選んであげてください。
また、小さいうちはクリスマスの意味がまだわからないかもしれませんので、「その時間を一緒に味わう、楽しむ」ということで、しかけ絵本や、絵を見て楽しむ絵本を選んでもいいでしょう。少し年齢が上がり、「クリスマスって毎年あるけど、何で?」という話が子どもから出てきたら、オーソドックスなクリスマスの伝統が学べる絵本を選んでもいいかもしれません。

クリスマス気分を盛り上げる! 「オススメの1冊」

【小学校低学年からオススメ】

『ふたりは いつも』

作:アーノルド・ローベル 訳:三木卓/文化出版局

大人気のがまくんとかえるくんのお話で、春夏秋冬、1年間の二人の生活が、5編入っています。その中に「クリスマスイブ」のお話があり、がまくんはクリスマスの晩に、ごちそうをどっさり用意して、ツリーを飾って、かえるくんを待つけれど……というお話です。にぎやかなパーティーをしてクリスマスを過ごすのではなく、暖炉の前で「大事な人と一緒に過ごす時間の幸せ」をかみしめるお話で、クリスマスの違った側面が伝わるのもいいですね。

【小学校中学年からオススメ】

『クリスマスのあかり』

作:レンカ・ロジノフスカー 絵:出久根育 訳:木村有子/福音館書店

文章がしっかりあるので、中学年以降でも楽しめると思います。チェコに住む小学1年生の男の子・フランタが、イエス様の生まれ故郷のベツレヘムから届いたあかりを家に分けてもらうために教会に出かけるのですが、その途中で失敗をしてしまったり、おじいさんを助けるために行動を起こしてみたり……。静かなお話ですが、心に小さなあかりが灯るような、とても温かなお話です。また、チェコという国の生活や風習がベースにあるので、異国の文化を楽しみながら、物語をしっかり味わえます。

【小学校中学年からオススメ】

『メリークリスマス -世界の子どものクリスマス-』

画:市川里美 文:R.B.ウィルソン 訳:さくまゆみこ/BL出版

この絵本では、最初にクリスマスの由来などの説明があり、それをもとに、世界ではクリスマスの日を子どもたちがどう過ごしているのか、紹介しています。例えばみんなで歌を歌って祝うイギリスやアメリカ、一番星をまとってお祝いを始めるポーランド、妖精のためにおかゆを外に出しておくノルウェーなど、いろいろな国のクリスマス文化を楽しむことができます。最後に「世界中の子どもたちが一緒にクリスマスを祝ったら?」という絵があるのですが、それを見るだけでも心がとても温かくなる絵本です。

【小学校高学年からオススメ】

『クリスマスがちかづくと』

作:斉藤倫 画:くりはらたかし/福音館書店

主人公は10歳の男の子のセロ。セロはクリスマスが大嫌いです。なぜなら、クリスマスシーズンになると、毎年お父さんは家を空け、お母さんはデパートの仕事が忙しくなるからです。子守のおばさんと過ごすクリスマス。ある年、思いきってお母さんに「どうして、お父さんはクリスマスに家にいないの?」と聞くと、お母さんは驚きの秘密を教えてくれます。「クリスマス」と一言で言っても、状況や置かれた立場、考え方が人それぞれ違い、いろいろな考え方があることを知ると、子どもの世界は広がります。複雑な気持ちが少しずつわかってくる、高学年からオススメします。

【小学校高学年からオススメ】

『ピーターラビットのクリスマス 25の物語のアドベント PETER RABBIT CHRISTMAS』

文:レイチェル・ボーデン 訳:長友恵子/文化出版局

12月1日から25日までの間、1日1章ずつ楽しめる、アドベント絵本です。1つずつのお話のあとに、そのお話に関係したクリスマスの飾りや、カードの作り方が載っているので、読んだあとに一緒にクリスマスの飾りを作るなど、クリスマス気分をより高めてくれる1冊です。12月になり毎日1つずつ物語を積み重ねて迎えるクリスマス。とてもすてきだなと思います。クリスマスまでの間、毎日楽しめるので、プレゼントとしてもオススメです。

「待つ」ことも楽しいクリスマス。おうちのかたも一緒に楽しんで

クリスマスは、その日までを「待つ」というのが楽しみのひとつにもなる、特別な行事です。この期間、お気に入りのクリスマス絵本や新しい絵本を飾って、クリスマスの雰囲気を楽しんだり、クリスマスの〇日前になったらこのお話を読もうね、と親子で話し合って、クリスマス気分を盛り上げたり、いろいろな楽しみ方ができます。また、クリスマスのお話は大人が読んでも温かい気持ちになれたり、学びがあったり、考えさせられるお話が多いので、ぜひおうちのかたもクリスマス気分を楽しみながら、親子で絵本を味わってみてください。

まとめ & 実践 TIPS

クリスマスの絵本には、異文化の理解や他者への思いやり、大事な人と一緒に過ごす幸せなど、子どもにとって、新しい体験や感情を持つきっかけになるようなお話がたくさんあることがわかりました。
日本でも定着してきた「アドベントカレンダー」も、絵本で親しめば、この期間、毎日親子でワクワク楽しめそうですね。

プロフィール

磯崎園子

磯崎 園子

絵本情報サイト「絵本ナビ http://www.ehonnavi.net」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。

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