早期教育とは?幼児教育と何が違う?早期教育のメリット・デメリットと注意点をご紹介
「早期教育」という言葉をよく見聞きするものの、その内容についてはよくわからないという保護者のかたも多いのではないでしょうか。そこで今回は、早期教育の種類やメリット・デメリット、取り入れる際の注意点をご紹介します。幼児教育との違いについても解説しているので、参考にしてみてください。
早期教育とは?
早期教育とは、小学校に入学する前の子どもに、英語や水泳など何かしらのスキルや知識を身に付けさせるために行う教育のことです。一般的な年齢よりも早く始めるため、早期教育とよばれています。
「脳が急激に発達する乳幼児期に教育をすると能力が高まりやすい」という考えから注目されている早期教育。ただ、賛否両論あるのも事実であり、取り入れる場合は早期教育についてきちんと理解する必要があります。
ちなみに、胎児や乳児などいわゆる赤ちゃんとよばれる時期に始める教育は「超早期教育」といいます。
早期教育と幼児教育の違い
幼児教育とは?
幼児教育は、幼児が生活するすべての場において行われる教育の総称です。幼稚園や保育園だけでなく、家庭や地域などで学ぶすべてのことが幼児教育に含まれます。
早期教育と幼児教育の違い
名前が似ていること、どちらも乳幼児を対象としていることから、同じものだと勘違いされやすい早期教育と幼児教育。しかし、この2つは目的が異なります。
早期教育は、知識や技術を学び特定のスキルを身につけることが目的。対する幼児教育は、子どもが持っている可能性を引き出して学習の基礎をつくったり、社会性など生きる力を身に付けたりすることを目的としています。
早期教育にはどんな種類がある?
知育系、芸術系、運動系などさまざまな種類がある早期教育。代表的なものをご紹介します。
音楽
幼児期から始める習い事として定番のピアノ。これも早期教育です。他にも、バイオリンやエレクトーンといった楽器、歌唱、リトミックなど、音楽系の早期教育は幅広く行われており、音楽教室の未就学クラスや個人レッスンなどで受けられます。
スポーツ
水泳やダンス、武道などのスポーツは、幼児期に開始することも多い習い事です。目的はさまざまですが、技術を身に付けるために行っているのであれば早期教育といえるでしょう。体操教室などで体の基礎作りをする家庭もあります。
先取り学習
文字や数の学習など、小学校に入ってから学ぶものを先取りすることも早期教育に含まれます。ひらがなの読み書き、足し算・引き算など、小学校1年生で習うような内容を身に付けるものです。学習教室の他に、通信教育や市販のドリルなどを利用することもあります。
外国語
小・中学校で行われる英語教育の時期が早まったことで、早期教育に英語を取り入れる家庭が増えてきました。国際化する日本社会で活躍するために始めるという人もいるでしょう。乳幼児向けの英語教室、プリスクール、市販の英語教材など、学習方法はさまざまです。
ほかにもある早期教育
ほかにも、アートやそろばん、囲碁や将棋、右脳や左脳を鍛えるための教育など、早期教育にはさまざまな種類があります。
早期教育のメリット・デメリット
早期教育のメリット
早期教育のメリットには、以下のようなものがあります。
- ・子どもの興味を広げてあげられる
- ・さまざまなスキルが身に付く
- ・自信がつく
- ・育児の相談相手ができる
早期教育最大のメリットは、幼児期からさまざまなスキルを身に付けられること。できることが増えれば、お子さまの自信にもつながります。
また、新しい分野に触れることで好奇心を刺激し、子どもの世界を広げてあげることもできます。定期的に学習する習慣を身に付けることも可能。同じ年代の子どもを持つ親同士で交流もできます。
早期教育のデメリット
メリットがたくさんある早期教育ですが、デメリットも忘れてはいけません。早期教育には、以下のようなデメリットが考えられます。
- ・子どもにストレスを与えてしまう恐れがある
- ・自主性や社会性が育たない可能性がある
- ・スキルが身に付くとは限らない
乳幼児期は、まだ遊びが主体の時期。友だちと遊びたいのに習い事が忙しければ、ストレスが溜まってしまうかもしれません。遊びの中から習得する社会性も育たなくなる可能性があります。
また、暗記を重視した学習の場合や、先生が一方的に指導する内容の場合は、自分で考える力が育ちにくくなることもあります。子どもが嫌々行っていたり、向いていない習い事であったりすれば、スキルの習得は難しいでしょう。
早期教育をするうえで親が注意しておきたいポイント4つ
早期教育と行うのに、デメリットが発生しては意味がありません。取り入れる場合は以下の点に注意して、デメリットをできるだけ解消しましょう。
子どもが「楽しい」と思うことを優先する
子どもが小さいうちは、保護者のかたが習い事や学習内容を決めることが多くなりますが、その際は必ずお子さまが楽しく取り組めているかを確認してください。
保護者のかたの意向も大事ですが、主役は子どもです。嫌々取り組んでいてはスキルも身に付かず、早期教育の意味がありません。小さなお子さまでも、楽しんでいるかどうかはわかるはず。子どもの姿を観察したり、意見を聞いたりして、無理強いしないように気を付けていきましょう。
口を出し過ぎない
知識や技術を身に付けさせるために、つい口や手を出し過ぎることもあるでしょう。これもなるべく避けてください。子どもが自主的に楽しんで行うことが、成長のコツです。
幼児教育と違い、早期教育は結果が見えやすいもの。そのため、成績や完成度にこだわってしまう気持ちもあるでしょう。しかし大事なのは、結果ではなく過程。スキルを身に付けるまでにどんな経験をし、何を考え、そしてどれだけ楽しめたのかを大事にしてあげましょう。
他の家庭と比べない
同じ年代の子どもたちが集まり、同じ目標に向かって努力しているため、他の子どもと比べてしまうこともあるでしょう。きょうだいで同じ習い事をしていれば、なおさらです。ただ、他の子どもと比べることに意味はありません。自分のお子さまを見て声をかけてあげてください。そうすれば自信がつき、成長につながります。
なかには、親同士がライバル意識を持って必死になってしまうケースもあります。ただ、大人の関係に子どもを巻き込むのはやめましょう。親同士のことは親同士で解決したいですね。
自由な時間を大切にする
良かれと思って早期教育ばかり詰め込むと、自由な時間がなくなります。その結果、友だちとの関わりで身に付く社会性やコミュニケーション能力、生活や遊びで身に付く自主性などが育たなくなる可能性があります。知識や技術は身に付いても、生きていく力が身に付かないということです。
遊んだり、ボーっとしたりする中で育つ能力もたくさんあります。子どもの時間をすべて早期教育に費やさないように、バランスよく行っていきましょう。
まとめ & 実践 TIPS
早期教育にはさまざまな種類があります。お子さまの才能を伸ばしてあげたいという思いから、できるだけ小さいうちにスキルを身に付けさせたいという気持ちもあるでしょう。しかし早期教育には、メリットだけでなくデメリットがあることも忘れてはいけません。「早期教育をした方が良い」という情報だけに惑わされず、正しく理解することが大切です。早期教育を取り入れる際は、お子さまが無理なく楽しみながら学べることを一番に考えてあげたいですね。