小学1年生になる我が子 人見知りで学校になじめるか心配……入学までに家でどんな練習をしたらよい?[やる気を引き出すコーチング]

「今年からいよいよ小学生!でも、子どもが学校になじめなかったらどうしよう?友達ができなかったらどうしよう?」と心配な気持ちが湧いてくる保護者の方もいらっしゃるでしょう。ご家庭での日頃のコミュニケーションが、お子さんの対人関係スキルやレジリエンス(折れにくい心)にも影響を与えます。「質問」を意識することで、お子さんとトレーニングしてみませんか。

自分の気持ちを言葉にするトレーニング

これは、当時5歳の娘さんをお持ちのAさんの事例です。
「うちの子は、人見知りでおとなしいタイプなのですが、何か気に入らないことがあると感情的になり、手がつけられなくなることがよくありました。
このままでは友達もできない、どう接したらいいんだろうと思ってコーチングを受けました。
その時、コーチから『お子さん自身はどう思っているんでしょうね?』と質問されてハッとしました。よく考えてみたら、ただのわがままとしか見ていなかったことに気づきました。

それから、娘には自分の気持ちを言葉にしてもらうように質問していきました。感情的になった時も、『今、どんな気持ち?』、『どうしたいの?』と、こちらが冷静に聞いていくようにしました。本人もなかなか言葉にできず、もどかしかったようですが、答えられなくても答えを急がせず、ゆっくり待つようにしました。

実際、自分でも自分の気持ちがわかっていないことが多かったのだと思います。聞いていくと、しだいに自分の気持ちを言えるようになってきました。
『どうしてほしいの?』と聞くと、要望や提案も言えるようになりました。ただのわがままなこともありますが、『それは今できないけど、それ以外はどうしたらいい?』と聞いていくと自分で考えるようになりました。

小学生になってからは、友達とケンカのようなこともあるのですが、『それを言われて私は嫌だった。だからもう言わないでほしい。私も言わないようする』といったことを冷静に言える子になりました」

Aさんの関わりは、非常に効果的なコミュニケーショントレーニングだったと思います。嬉しいことも嫌なことも、自分の気持ちを見つめ、言葉にして伝えられるコミュニケーション力は大切な「生きる力」の一つです。「まだ小さいから無理」と決めつけず、今のうちから、折に触れて、「今、どんな気持ち?」と聞く機会をもつことをおすすめします。

ポジティヴな面に意識を向けるトレーニング

学校からお子さんが帰ってくるたびに、「今日は学校で何が楽しかった?」と質問をし続けたお母さんがいました。最初は、「別にない」という反応しか返ってきませんでしたが、それでも、答えを強要せず、毎日繰り返し質問しました。

そのうち、お子さんが帰ってくるなり、自分から「今日は体育が楽しかったよ」と報告してくれるようになりました。こちらから質問しなくても、自分で「今日は何が楽しかったかな?」と考えられるようになったと言います。これが質問の効果です。

たとえ、残念に思うこと、悔しいことがあったとしても、その気持ちは受けとめた上で、「どんなことが大切だと思った?」、「その中でも良かったことって何かな?」と聞いてあげると、自然とポジティヴな面に意識を向ける習慣が身につきます。

毎日一つでも、「今日はどんな良いことがあった?」、「◯◯ちゃん(お友達)の良いところってどこだと思う?」といった質問を投げかけてみてください。すぐには答えられなくても心配する必要はありません。
質問されて、「考えてみる」=「意識がそこに向かう」ことが重要です。こうした質問を繰り返し投げかけられることによって、どんな現実からも、自ずとポジティヴな面を見つけられる子どもへと成長していきます。

まとめ & 実践 TIPS

子どもは学校に行くようになると、他の子と比べたり、苦手なことにも取り組んだりする中で、幼児の頃にはなかった新たな悩みに直面するようになります。
しかし、悩みを持つことは、子どもが成長している証拠です。また、その体験がいっそうの成長を促します。「失敗させないように」、「悩みを持たせないように」と保護者の方はどうしても考えがちですが、失敗も悩みも成長には必要な体験。お子さんにも、そんなふうに感じてもらえるように日頃から関わっていただけたらと思います。

プロフィール

石川尚子

石川尚子

国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ。ビジネスコーチとして活躍するほか、高校生や大学生の就職カウンセリング・セミナーや小・中学生への講演なども。著書『子どもを伸ばす共育コーチング』では、高校での就職支援活動にかかわった中でのコーチングを紹介。

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