水彩画を上手に描きたい! ~下絵を描こう~

小学生には、図画工作、なかでも水彩画の描き方に苦労しているお子さまが少なくないようです。
そこで、神奈川県湘南の風景をモチーフにした「江ノ島電鉄」などのカレンダーの制作をはじめ、数々の個展で作品を発表し、美術専門学校の講師としても活躍中の風景画家・湯浅誠先生に、保護者のかたからの相談にお答えいただきます。また、水彩画を上手に描くコツや、水彩画の楽しさをご紹介します。

鉛筆で下絵を描く

下絵を描く時の鉛筆の硬さは「HB」が最適です。消しゴムは「練り消しゴム」を使えば、かすが出ません。学校や学年によっては、マーカーで下書きをするように指導される場合もあります。マーカーは形がはっきりしていて、表現しやすくなります。油性ペンであれば、水ににじむことはありません。

下絵を上手に描くための3つのポイント

ポイント1 下絵を描く前に主役を決める

描きたいものや、気になるものを探し、それを絵の主役にしましょう。景色は目の前に広がっているものですから、何を主役にして、どこを切り取るかが大切です。主役が決まっていないと、何が描きたかったのか、わからなくなってしまうことがあるかもしれません。

ポイント2 大まかな形をとらえる

下絵を描き始める時、最初に大まかな形をとらえます。描こうとするものを「丸」のかたまりとしてとらえ、大きな丸の中に、いくつもの小さな丸があると考えます。絵の主役以外のものも、丸として考えます。
細かい単位ではなく、大きく形をとらえましょう。

ポイント3 遠くと近くを描き分けよう

遠くの物は小さく、近くの物は大きく見えます。絵を描く時も、このことを意識します。このような、遠くと近くを描き分ける方法を「遠近法(えんきんほう)」といいます。


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プロフィール


湯浅誠

建築パース制作会社に勤務後、現在は風景画家として活躍するほか美術専門学校の講師としても活動中。「江ノ島電鉄」のカレンダーの制作にも携わる。

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